南米のベネズエラで続く深刻な政治混乱を解決するため、隣国のペルーが大きな一歩を踏み出しました。ペルー政府は2019年07月05日、世界100カ国以上を招いた国際会議を、首都リマで2019年08月06日に開催すると発表したのです。この会合は、泥沼化する現政権と反政府勢力の対立に終止符を打つための、極めて重要なターニングポイントになるかもしれません。
現在、ベネズエラでは軍を掌握するニコラス・マドゥロ大統領と、国民議会議長として「暫定大統領」への就任を宣言したフアン・グアイド氏が激しく対立しています。ここで言う暫定大統領とは、憲法上の正当性を主張し、選挙が実施されるまでの間、一時的に国家元首の職務を代行する立場を指します。この二重権力状態が、国家の機能を著しく麻痺させているのが現状です。
今回のリマ会議が画期的なのは、マドゥロ政権を支える中国やロシア、そしてグアイド氏を支持する欧米諸国が一堂に会する点でしょう。対立する両陣営の後ろ盾となっている国々が、解決策を求めて同じテーブルに着くのは今回が初めての試みとなります。SNS上でも「これだけの国が動けば何かが変わるはず」「南米の団結を見せてほしい」といった期待の声が数多く寄せられていました。
当事者不在で挑む「リマ会議」の狙いと国際社会の重圧
驚くべきことに、ペルーのポポリシオ外務大臣は、この重要な会議にマドゥロ氏とグアイド氏のどちらも招待しない方針を明らかにしました。これは、当事者が参加することで議論が感情的な非難合戦に陥り、停滞することを防ぐための英断といえます。あくまで周辺諸国や支援国が冷静に話し合う環境を整えることで、膠着状態を打破する「政治的な出口」を見出したいという狙いが透けて見えます。
ベネズエラ国内では、軍部の忠誠を背景に権力を維持するマドゥロ政権に対し、米国が厳しい経済制裁を加えることで圧力を強めています。経済制裁とは、他国との貿易や金融取引を制限することで相手国にダメージを与える外交手段ですが、その副作用として市民生活が困窮するという厳しい側面も持ち合わせています。この経済の冷え込みが、歴史的な難民流出の引き金となりました。
筆者は、このペルーの主体的な動きを高く評価したいと考えています。難民を多く受け入れている近隣諸国にとって、この危機はもはや他国の内政問題ではなく、自国の死活問題に他なりません。対話による解決を模索するペルーの姿勢は、武力衝突という最悪のシナリオを回避しようとする強い意志の表れではないでしょうか。市民の苦しみを終わらせるには、外交の力が必要不可欠です。
インターネット上の掲示板では「議論だけで終わらせてほしくない」という厳しい意見も見受けられますが、2019年08月06日に向けた各国の調整には世界中が注目しています。長引く混乱によって疲弊したベネズエラ国民に、明るい兆しが差し込むことを願ってやみません。国際社会がどこまで歩み寄れるのか、この夏の動きから目が離せない状況が続くでしょう。
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