【2019年最新】上場企業の3割が導入!「監査等委員会設置会社」が1000社を突破した背景と経営への影響

日本の上場企業において、経営の透明性を高めるための大きな変革が押し寄せています。三井住友信託銀行が2019年06月30日時点で行った調査によりますと、社外取締役が中心となって経営を厳しくチェックする「監査等委員会設置会社」へ移行した企業が、ついに1000社の壁を突破しました。これは全上場企業の約3割に迫る勢いであり、わずか1年間で100社もの企業が新たにこの体制を選択したことになります。

今回の調査対象となった全3739社の中で、実際にこの仕組みを取り入れているのは1027社にのぼります。直近の株主総会シーズンを経て、自動車大手のマツダや食品大手の日清製粉グループ本社といった日本を代表する名門企業が次々と舵を切りました。SNS上でも「企業の自浄作用が働くのか注目したい」「形式だけでなく実質的な議論に期待」といった、ガバナンスへの関心の高さがうかがえる投稿が目立っています。

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そもそも「監査等委員会設置会社」とは?仕組みとメリットを解説

ここで、聞き馴染みのない方も多い「監査等委員会設置会社」という専門用語について紐解いていきましょう。これは2015年の法改正で認められた比較的新しい企業統治(コーポレート・ガバナンス)の形態です。簡単に言えば、取締役会の中に「監査等委員会」という監視チームを作り、メンバーの過半数を外部の有識者である社外取締役で構成する仕組みを指します。これにより、身内だけで経営判断を独占することを防ぐ狙いがあるのです。

これまでの日本企業では「監査役」という独立した役職がチェックを行うのが主流でしたが、この旧来の形は海外の投資家から「役割が不明瞭で分かりにくい」と指摘されるケースが少なくありませんでした。世界基準で見れば、意思決定の場である取締役会に直接参加し、議決権を持つ社外取締役が監視を行う方が、より強力なブレーキ機能として認識されやすいという側面があります。まさに日本企業がグローバルな信頼を勝ち取るための進化と言えるでしょう。

また、企業側には社外取締役の確保という現実的な課題も存在します。近年、東京証券取引所などの指針により、独立した社外取締役を2名以上、あるいは3分の1以上選任するよう求める声が強まっています。そこで、これまでの「社外監査役」を「社外取締役」としてスライドさせることで、既存の知見を活かしつつ基準をクリアしたいという企業の思惑も、今回の急速な普及を後押ししているようです。

編集者の視点:形式的なガバナンスを超えた「真の改革」への期待

筆者は、この1000社突破という数字を、日本経済が「内向きの論理」から脱却しようとする前向きなサインだと捉えています。これまでの日本的な「なあなあ」の経営から、外部の厳しい視線を受け入れる姿勢への転換は、不祥事の防止だけでなく、企業の長期的な成長には不可欠です。三井住友信託銀行の斎藤誠・証券代行コンサルティング部長が予測するように、この流れは今後さらに加速していくに違いありません。

しかし、単に箱(制度)を入れ替えるだけでは意味がありません。社外監査役が横滑りで取締役に就任する場合、それまで以上に経営方針に対して踏み込んだ提言ができるかどうかが鍵となります。「数合わせ」の社外取締役選任に終わらせず、多様な視点が経営に化学反応を起こすことで、日本企業が再び世界で輝きを取り戻すことを切に願っています。投資家の皆さんにとっても、2019年は各社の「本気度」を見極める重要な年になるはずです。

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