「ブラジャーのサイズ、本当にこれで合っているのかな?」と不安に感じながらも、店頭で店員の方に採寸してもらうことに気兼ねしてしまう。そんな経験をお持ちの女性はきっと多いことでしょう。この誰もが抱えるデリケートな悩みに、下着メーカーのワコールが画期的なソリューションを提示しました。同社は2019年6月4日、都内にて新しい接客サービス「3D smart&try(スマート・アンド・トライ)」を導入した店舗を開設し、大きな注目を集めているのです。
このサービスの最大の魅力は、「3Dボディスキャナー」という専用機器を個室に設置し、お客様ご自身で正確な下着サイズを測定できる点にあります。これまでの下着選びは、店員によるメジャー採寸が一般的でしたが、プライバシーへの配慮から「店員の目を気にせずにサイズを知りたい」という消費者のニーズは非常に高まっていました。ワコールは、この「セルフ採寸」という手軽さと正確性を両立させることで、顧客との新たな接点を創出し、より多くの来店を促したいと考えているのでしょう。
サービスを開始したのは、東京・渋谷区の東急プラザ表参道原宿にオープンした店舗です。利用者は、個室で計測用の下着に着替えてから、試着室型の計測機器の内部に立ちます。驚くことに、計測にかかる時間はわずか5秒。この高速スキャンにより、バストのトップとアンダーの長さ、そしてバストの体積を示す容量(カップサイズを導く重要な要素)に加えて、ウエストやヒップといった全身のサイズまで詳細に把握できるという仕組みです。
計測後のデータは店内のタブレットで即座に確認可能です。さらに優れているのは、このデータに基づき、人工知能(AI)がお客様の体型と「好みのデザインやシルエット」のインプットを掛け合わせ、最適な商品を提案してくれるパーソナルレコメンド機能が搭載されている点です。現在、ワコールブランドやウイングブランドなど約150種類の商品がレコメンドの対象となっており、提案された商品は店頭だけでなく、電子商取引(EC)サイトからも購入できる柔軟な体制が整えられています。
デジタル技術が変える下着選びの未来
このワコールの新しい取り組みは、まさにリテールDX(デジタルトランスフォーメーション)の成功事例の一つと言えるでしょう。店舗での体験価値を高めながら、デジタル技術を活用して顧客の心理的な障壁を取り除くというアプローチは、他の小売業界にも大きな示唆を与えます。専門用語である「3Dボディスキャナー」とは、レーザー光や画像認識技術を用いて身体の立体的な形状を瞬時に計測する装置のことです。これにより、人間の手による採寸で生じがちな誤差を減らし、客観的で信頼性の高いサイズデータが得られるようになります。
このサービスは、SNSでも「ブラ選びのストレスが減る」「恥ずかしくないから測りたい」「近くにできたら絶対行く」といった、好意的な反響が多く見られました。特に、若い世代や人に体型を知られることに抵抗がある層からの支持が厚いようです。ワコールは、この革新的な装置を3年という期間をかけて全国の主要店舗に100台まで拡大する計画を発表しており、この新しい「試着体験」を日本の下着選びのスタンダードにしようという強い意志が感じられます。私は、この技術が身体への関心を高め、より多くの女性が自分に本当に合った下着を見つけ、心地よく過ごせるようになるための重要な一歩だと強く支持したいですね。
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