年利3%の罠?「投信セット定期」の甘い誘惑と失敗しないための資産運用術

銀行の店頭やウェブサイトで、「投資信託と定期預金をセットで申し込めば、預金金利を大幅に上乗せします」という魅力的なキャンペーンを目にしたことはないでしょうか。年率3.0%といった驚きの高金利が掲げられていることも珍しくありません。低金利時代が続く中で、この数字は非常に魅力的に映るはずです。しかし、ファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんは、こうした「投信セット定期」には見落としがちな落とし穴があると警鐘を鳴らしています。

ネット上のSNSでも、この商品については「一見お得に見えるけれど、計算してみると実は微妙かもしれない」といった冷静な声や、「銀行に勧められるまま契約して後悔した」というユーザーの切実な反応が散見されます。一見すると預金者にとってメリットばかりのように思える仕組みですが、実際には投資信託の購入手数料や運用リスクが、上乗せされた金利の利益を軽々と打ち消してしまうケースが少なくないのです。賢い投資家として、その裏側をしっかり見極める必要があります。

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高金利の正体は「3カ月限定」の短期的なおまけ

最も注意しなければならないポイントは、2019年07月31日現在、多くの銀行が提示している「年率3.0%」という破格の金利が適用される期間です。実は、この高金利が維持されるのは預け入れ後の当初3カ月間に限定されていることがほとんどでしょう。1年間の運用を想定していると、残りの9カ月間は通常の極めて低い金利に戻ってしまうため、実際に受け取れる利息額は期待よりもずっと少なくなってしまいます。数字のインパクトに惑わされないことが大切です。

さらに、投資信託を購入する際に支払う「販売手数料」についても理解を深めておくべきでしょう。販売手数料とは、商品を買い付ける際に銀行や証券会社に支払う事務コストのようなものですが、これが投資額の2%から3%程度に設定されている場合、定期預金で得られる数カ月分の利息は一瞬で相殺されてしまいます。投資信託は価格が変動する「リスク資産」ですから、元本保証の預金とは性質が根本から異なることを忘れてはいけません。

私は、銀行がこうしたセット商品を推奨する背景には、預金者に投資を始めてもらうきっかけ作りだけでなく、手数料収益の確保という側面も強いと感じています。真に効率的な資産形成を目指すのであれば、目先のキャッシュバックや期間限定の金利に飛びつくのではなく、信託報酬(保有中にかかるコスト)が低い投資信託を自分で選び、長期的な視点で運用する方が賢明でしょう。おまけの金利を目当てに、望まないリスクを背負うのは本末転倒と言わざるを得ません。

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