🚗女性が主役のホンダ革新店!全車種試乗と感動の納車体験で顧客を魅了する「さくらモール羽村店」の挑戦

自動車販売業界、特にディーラーと呼ばれる新車販売店は、長らく男性中心のイメージが強かったのですが、その常識を覆すような革新的なホンダの販売店が、2019年6月7日時点で本格的な稼働を開始しました。東京都福生市に拠点を置く地場系の有力販売会社、ホンダカーズ東京西が手がけた「さくらモール羽村店」(東京都羽村市)が、まさにその先駆者なのです。この店舗は、試乗用にホンダのほぼ全車種を取り揃えているだけでなく、顧客に特別な体験を提供する専用の納車ブースも備えています。そして、この新しい取り組みを力強く推進しているのは、店舗人員の約8割を占める女性スタッフたちです。これは、従来の「男社会」のイメージが色濃く残る車の販売現場に、新鮮な風を吹き込もうとする、非常に画期的な試みだと感じられます。

JR青梅線の羽村駅から車で約5分という場所に、桜をモチーフにした目を引く外観の新しい商業施設、「さくらモール」が見えてきます。これはホンダカーズ東京西が自社で開発し、2018年12月に開業させた複合施設です。約1万4000平方メートルの広大な敷地内には、商業棟のほかに広い駐車場や地域循環バスの停留所まで整備されています。羽村店の統括マネージャーを務める加藤裕之取締役執行役員が語るように、「ホンダ車以外のユーザーにも気軽に立ち寄ってもらい、ホンダ車に触れてもらえる環境」を作ることが重視されました。そのため、商業棟の2階には大手回転寿司チェーンを誘致するなど、外食帰りの家族連れがふらりと立ち寄れるような、開かれた空間設計が意識されています。

この店舗の大きな魅力の一つは、試乗車のラインナップにあります。フラッグシップモデルの高級車「レジェンド」から、日常使いに便利な軽自動車に至るまで、約30車種という、ホンダのほぼ全ての車種に試乗できるようにしているのです。これは、多くの車種を比較検討したい顧客にとって、これ以上ない環境でしょう。さらに、無料で住民に貸し出しを行うイベントスペースも設置されており、「地域のたまり場」としても活用してもらうことで、車に興味がない人々をも巻き込む、地域密着型の戦略が練られています。

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感動を呼ぶ特別な納車体験と女性スタッフの活躍

さくらモール羽村店の特に大きな特徴として挙げられるのが、専用の納車室を3つも備え、ホンダカーズ東京西が展開する他の6店舗で行っていた納車業務を、この羽村店に集約した点です。東日本のホンダ店としては初の試みで、原則として各店では納車を行わず、顧客の同意を得た上で羽村店が一括して担当する体制です。納車という瞬間は、顧客にとって最も待ち遠しいイベントである一方で、営業担当者にとっては受注業務に追われ、十分な対応が難しい場合もありました。そこで、納車に特化した専門店舗を設けることで、顧客満足度を大幅に高めることを目指しています。また、各店舗は納車業務が不要になることで、新車の輸送費削減や営業活動への集中が可能になるという、会社側にも大きなメリットがあるのです。

納車を待つお客様は、まず専用の待合室へと通されます。そこで、「サプライズ」として営業担当者からの感謝の気持ちを綴った手紙を受け取ることになります。納車の時間帯も、他の顧客と重ならないよう配慮するなど、細部にわたるきめ細かな心遣いが徹底されているのです。そして、いよいよ納車室のカーテンが開くと、待ちに待ったピカピカの新車が現れるという、ドラマチックな演出が施されます。このような工夫が功を奏し、開業からわずか5カ月で、いまや全社の8割もの顧客が、この羽村店での納車を希望するようになっているという事実は、この「特別な納車体験」がいかに顧客の心に響いているかを物語っています。

ホンダの販売店は全国に約2200カ所ありますが、商業施設の中で営業機能と納車センターを兼ね備えた店舗は「全国でも唯一」(ホンダ広報部)の取り組みとされています。この革新的な店舗の原動力となっているのが、冒頭で触れた女性スタッフたちです。従業員12名のうち10名が女性という比率は、2016年時点でのホンダ販売店全体の女性比率がわずか3%だったことを考えると、非常に先駆的な試みであると言えるでしょう。比留間沙織店長(35歳)は、営業経験のない事務職からの転身組です。「営業出身ではないからこそ、従来の常識にとらわれずに、新しいことができる」と、女性ならではのきめ細やかな接客を大切にしています。

比留間店長は、来店客のほとんどが他社のユーザーであることから、「女性だと質問しやすい」「安心できる」といった声を多く聞くそうです。納車業務を除いても、月に150〜200人の来店客があるといいます。女性スタッフならではの、寄り添うような接客が、特に自動車業界の「専門用語」(例えば、新車の初期不良のことで、整備や点検によって解消されることが多い「初期クレーム」や、排気ガスの浄化システムに関する「触媒」など、一般の方には難しい言葉)に対する分かりやすい解説や、男性には聞きにくいと感じるような質問をしやすくしているのでしょう。私自身の見解としても、車に関する知識の有無にかかわらず、誰もが安心して相談できる環境は、新規顧客獲得の鍵になると考えます。

前例のない店舗だからこそ、比留間店長が重視するのは、スタッフ間のコミュニケーションです。毎月1回、必ず全員と個別面談を実施し、仕事上の悩みや意識の向上に繋げています。「お客様からは『羽村店で納車して良かった』と、スタッフからは『ここで働きたい』と思われるような店舗づくりをしたい」と意気込みを語っています。カーシェアリング(自動車を個人間で共有利用するサービス)の台頭などにより、国内の新車マーケットが大きな変革期を迎える中で、ディーラーの存在意義も変わりつつあります。この先駆的な取り組みを、どのように他の店舗へと波及させていくのかが、今後のホンダカーズ東京西、そしてホンダ全体の販売戦略において非常に重要なポイントになるでしょう。

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