2019年6月9日付けの日本経済新聞・別刷り紙面「NIKKEI The STYLE」に掲載されたクロスワードパズルは、読者の知的好奇心をくすぐる非常にアカデミックな内容となっています。本記事では、この知的好奇心溢れるパズルの内容を詳しくご紹介し、その魅力と、挑戦することで得られる教養の深さに迫っていきます。
このクロスワードパズルは、歴史、地理、文学、経済、生物など、幅広い分野からの知識を問うものがバランス良く配置されており、ただの暇つぶしではない、読者の真の「知力」を試すものと言えるでしょう。特に「タテのカギ」では、日本の古典的な出来事から世界の歴史的な建造物まで、ユニークなキーワードが並び、解き進めるごとに新しい発見があるはずです。SNS上でも、「まさか○○○大学の名前が出てくるとは!」「歴史の勉強になった」といった、知的好養が高まったという反響が多く見受けられました。
タテのカギに隠された「歴史と文学」の深掘り
タテのカギの1番は「曽我兄弟の仇討ち」に登場する工藤祐経(くどうすけつね)の家紋の名称を問うもので、これは日本の古典文学や歴史に関心を持つ方にはたまらない設問でしょう。また、8番では、ウィリアム・シェイクスピアの代表作が上演されたことで名高い、1599年にロンドン・テムズ川南岸に開設された歴史的な劇場に関する出題があります。これは、エリザベス朝演劇の華やかな時代を象徴するグローブ座のことで、世界史や演劇史におけるその重要性は計り知れません。このように、歴史的な背景を持つキーワードが散りばめられているため、パズルを解く過程がそのまま知的な旅になるのです。
さらに、10番では、140年前に設立され、20年前にハーバード大学に統合された米国の私立女子大学の名前が問われています。これはラドクリフ大学という、女性の高等教育の歴史において非常に重要な役割を果たした大学であり、現代社会におけるジェンダーや教育の歴史を考える上で示唆に富む出題であると感じました。また、12番は、ポーランドの民主化運動の象徴である「連帯」発祥の地、グダニスクのドイツ語名、ダンツィヒを尋ねるなど、近現代史の知識も求められ、ヨーロッパの歴史的変遷を再認識させられます。
ヨコのカギを彩る「経済、文化、地理」のキーワード
一方、ヨコのカギも負けてはいません。1番の「活版印刷術の揺籃(ようらん)期に刊行された印刷物の総称」は、インキュナブラという、ヨーロッパの印刷文化の黎明期を指す専門用語であり、文化史や書籍史における重要な知識を試されます。このインキュナブラとは、活版印刷が発明された初期、具体的には1500年までにヨーロッパで刊行された印刷物のことを指す学術用語です。その後の知識の普及に大きな役割を果たしました。
また、7番の「投資格言の一つ、○○○千両」は、経済・金融の分野に触れる読者であればピンとくる、売り時に関する有名な格言を問うています。経済の仕組みや資産運用に関する関心の高さがうかがえますね。さらに、16番では、米ハリウッドのレストラン・オーナーの名前にちなんだ、レタスやアボカドなどを使ったコブサラダに関する出題があり、これは食文化やライフスタイルにまで視点を広げています。そして、19番では、主著に『社会的共通資本』などを持つ、環境や社会問題にも積極的に関わった高名な理論経済学者、宇沢弘文(うざわひろふみ)氏の名前を答えさせるなど、社会科学に関する深い知識も求められる内容になっています。
このクロスワードに挑戦することは、単にパズルを解く楽しさだけでなく、幅広い知識の再確認と新たな発見をもたらしてくれるでしょう。これこそが、新聞の読み物としての真価であり、知的探求心を刺激する良質なコンテンツだと私は強く評価します。この記事を読まれた皆さまも、ぜひ当時の紙面を見つけ出し、この奥深い教養のクロスワードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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