イギリスの欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」を巡る情勢が、かつてないほどの緊張感に包まれています。ジョンソン政権と議会の対立が激しさを増す中、2019年08月28日にエリザベス女王が政府の提案した議会閉会案を承認したことで、事態は決定的な局面を迎えました。これにより、2019年09月09日の週から2019年10月13日までの約1カ月間、議会の機能が停止することになります。
この「議会閉会」とは、通常は新政権の施政方針を示す準備のために行われる手続きですが、今回のタイミングは極めて異例と言えるでしょう。2019年10月31日に迫った離脱期限を前に、議論の場を物理的に閉ざす狙いが見え隠れします。議会が再開される2019年10月14日から期限までは、わずか2週間強しか残されていません。離脱に反対する議員たちが、法的な対抗措置を講じるための時間は大幅に削られてしまったのです。
SNS上では、この強硬とも言える手法に対して「民主主義の死だ」という悲痛な叫びや、「離脱を完遂するための英断だ」という支持の声が入り乱れ、国論を二分する騒動に発展しています。特に若年層からは、将来への不安を訴えるハッシュタグが拡散されており、国民の動揺は隠せません。一方で、決断できない議会に業を煮やしていた層からは、ジョンソン首相の実行力を評価する意見も根強く見受けられます。
ここで懸念される「合意なき離脱」とは、EUとの間で貿易や市民の権利に関する細かなルールを決めないまま、突然別れることを指します。これが現実となれば、関税の復活や物流の混乱など、経済への打撃は計り知れません。私は、政治の駆け引きによって市民生活がリスクにさらされる現状には強い危惧を抱いています。主権を取り戻すという大義名分は理解できますが、あまりに強引なプロセスは、将来に禍根を残すのではないでしょうか。
2019年09月03日に夏季休暇から再開する英議会ですが、再び閉会するまでのわずかな期間が、英国の運命を決める最後の攻防戦となるはずです。女王の施政方針演説が行われる2019年10月14日まで、政治の時計は止まったかのように見えますが、水面下での動きは加速していくでしょう。世界中が注視する中、ジョンソン首相が描くシナリオ通りに進むのか、それとも議会が土俵際で粘りを見せるのか、一刻も目が離せません。
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