2019年の中国ベンチャー業界において、台風の目となりそうなのが既存の小規模ホテルを対象とした「フランチャイズ化」ビジネスです。2019年6月13日現在、この分野で最も注目を集めているのが、インド発の格安ホテルチェーン「OYO(オヨ)ホテルズ」と、中国ホテル業界の巨人・華住酒店集団が送り出した「H連鎖酒店(H Hotel)」による激しい主導権争いでしょう。街中のあちこちにある小規模な宿泊施設を、最新のテクノロジーとブランド力でどう塗り替えていくのか、市場の熱気は高まるばかりです。
この戦いの構図は非常に明確で、すでに大規模な展開を見せているOYOに対し、H連鎖酒店が真っ向から参入を表明した形となります。SNS上でも、業界関係者や旅行好きのユーザーから「街中でOYOの赤い看板を見る機会が急増した」「中国国内の王者である華住が本気を出してきた以上、勝負はこれからだ」といった反響が相次いでおり、両社の動向に熱い視線が注がれているのが分かります。
拡大スピードのOYOか、厳選主義のH連鎖酒店か
両社の戦略には、興味深いほどに対照的な特徴が見られます。OYOが圧倒的なスピードで店舗網を拡大し、面での支配を広げようとしているのに対し、H連鎖酒店は提携するホテルを慎重に選び抜きながら展開する「厳選主義」を貫いているのです。これは単なる陣取り合戦ではなく、どちらのビジネスモデルが中国の広大な市場に適応できるかという、壮大な実験のようにも映ります。
競争の核心にあるのは、単なる看板の掛け替えだけではありません。両社ともに、ITを活用した客室管理システムや、効率的な運営ノウハウの提供を武器に、小規模ホテルオーナーの取り込みを図っています。私自身、編集者として多くのビジネストレンドを見てきましたが、テクノロジーが既存産業の構造を変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の最前線が、まさに今の中国ホテル業界にあると感じずにはいられません。
最終的に勝敗を分けるのは、店舗数という「量」だけでなく、宿泊客が実際に体験するサービスの「質」になるのではないでしょうか。急速な拡大は時にサービスの均質化を難しくしますが、そこをどうテクノロジーでカバーしていくのかが見ものです。私たち利用者にとっても、安価で清潔、かつ利便性の高いホテルが増えることは大歓迎ですから、この切磋琢磨がより良いサービスを生み出すきっかけになることを期待したいですね。
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