私たちが長年当たり前だと信じてきた日本の働き方が、今まさに大きな転換期を迎えています。新卒一括採用や年功序列、そして終身雇用といった日本型雇用慣行は崩壊しつつあり、もはや従来のレールに乗っているだけでは安心できない時代が到来しました。2020年1月15日に注目を集めている経済アナリスト・中原圭介氏の著書『定年消滅時代をどう生きるか』(講談社、税別860円)は、そんな激動の時代を生き抜くためのバイブルとして多くの読者に支持されています。
本書がこれほどまでに話題を集めている背景には、SNSを中心とした若い世代から中高年層までの切実な声があります。ネット上では「定年がなくなるなんて不安」「10年後に自分の仕事があるか分からない」といった未来への焦燥感が溢れる一方で、「自分の市場価値を見直す良いきっかけになった」という前向きな反響も続々と寄せられている状況です。このように多くの人々が、会社に依存しない生き方を真剣に模索し始めています。
ここで重要となるのが、著者が提唱する「10年先を見据えて自らの価値を高める」という視点でしょう。市場価値とは、ビジネスの場において「他の企業からも必要とされる人材としての強みやスキルの総和」を意味する専門用語です。ただ目の前の業務をこなすだけでなく、10年後の社会で自分がどのような役割を果たせるのかを逆算し、専門性や汎用的なスキルを磨き続ける努力が、これからの時代には不可欠だと言えます。
私は、この厳しい時代を豊かに生きるための最大の鍵は、著者が説く「仕事を楽しむ能力を身につけること」にあると考えています。義務感だけで働くのではなく、業務の中に自ら面白みや成長の機会を見出す力こそが、長期的なキャリアを支える原動力になるはずです。受け身の姿勢を捨てて、自らの意志で仕事と向き合うことこそが、定年という概念が消え去る未来において、私たちを最も自由で豊かにしてくれるのではないでしょうか。
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