「自分には無理かも」という不安を「できた!」という最高の笑顔に変える。そんな魔法のような活動を展開しているのが、新潟大学の学生団体「CANs(キャンズ)」です。彼らは小学生を対象に、一見すると不可能に思えるような巨大な課題に挑む場を提供し、達成感を分かち合う活動を続けています。
2016年に設立されたばかりの若い組織でありながら、その熱量は凄まじいものがあります。全国から1000以上の団体が集まる「学生団体総選挙」では、キャリア・教育・医療部門で2年連続グランプリを受賞するなど、教育のプロも注目する存在へと急成長を遂げているのです。
SNS上でも「大学生がここまで本気で子供と向き合う姿に感動した」「自分の子供も参加させたい」といった応援の声が続々と寄せられています。今の時代、失敗を恐れて守りに入りがちな風潮がありますが、彼らはあえて「難しいことへの飛び込み方」を背中で示しているのでしょう。
体育館に出現した巨大水族館!2019年8月30日の感動体験
2019年8月30日、新潟市立新潟小学校の体育館は、子供たちの歓声に包まれました。目の前に広がっていたのは、直径18メートルにも及ぶ巨大な青色のビニールです。そこには、小学2年生約70人が自ら描いた色鮮やかな魚や海の生き物たちが、命を吹き込まれたかのように躍動していました。
このビニールに空気を送り込むと、体育館の2階ギャラリーに届くほどの巨大な「バルーン」が姿を現します。内部はまるで本物の水族館に迷い込んだかのような幻想的な空間です。中を自由に歩き回ったり、寝そべって天井を見上げたりする子供たちの姿は、まさに冒険者そのものでした。
こうした活動の根底にあるのは「自己肯定感」の育成です。これは、自分の価値や能力を肯定的に捉える心の持ち方のことで、変化の激しい現代を生き抜くために最も重要な根っこの力と言えます。大学生たちが、子供たちの「心のインフラ」を整えている姿には、深い感銘を覚えます。
代表を務める教育学部3年生の田中裕真さんは、「難しいことに飛び込み、『やってみればできる』という経験をしてほしい」と熱く語ります。単なるレクリエーションではなく、明確な教育的意図を持って、子供たちが自律的に挑戦できる環境を設計している点が、CANsの最大の魅力です。
大人も本気にさせる仕掛けと、2019年10月に向けた次なる挑戦
CANsの活動は、子供の遊びの延長線上には留まりません。これまでにも、3万個のドミノに挑むプロジェクトや、1万5000本のペットボトルを組み上げた全長8メートルの「光の船」など、大人すら圧倒されるようなスケールの大きな企画を次々と成功させてきました。
こうした大規模なイベントの裏側には、学生たちの地道な努力が隠されています。週に3~4回の綿密な打ち合わせに加え、小学校のPTAや地域の児童館、公民館といった外部機関との丁寧な交渉を重ねます。社会を巻き込む力こそが、彼らが教育現場で信頼される理由なのです。
私自身、こうした「正解のない問い」に挑む経験こそが、今の学校教育に最も求められているスパイスだと確信しています。教科書を飛び越え、五感を使って巨大な何かを作り上げるプロセスは、子供たちの心に一生消えない自信の炎を灯すに違いありません。
彼らの挑戦は止まることを知りません。2019年10月には、新潟大学の体育館を舞台に「ジャングルバルーン」を制作する新たなイベントも予定されています。子供たちの挑戦心を育むために、自らも限界に挑み続ける学生たちの活動から、今後も目が離せませんね。
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