ビジネスウェアの象徴ともいえる「洋服の青山」を運営する青山商事が、これまでの常識を覆す大胆な一手に打って出ました。2019年10月16日、同社の青山理社長は、消費者が抱く「価格の透明性」への厳しい視線を真摯に受け止め、従来の販売戦略を抜本的に見直す方針を明らかにしています。かつて当たり前だった「高い定価を設定し、店頭で大幅に割り引く」という手法は、もはや現代の賢い消費者には通用しない時代遅れのモデルになったといえるでしょう。
この改革の目玉として、青山商事は2019年10月1日から全商品の約8割に及ぶ表示価格の引き下げを断行しました。これは単なる値下げではなく、店頭での不透明な値引き交渉を原則として廃止することを意味しています。専門用語で「ダイナミックプライシング」のような価格変動とは対極にある、誰にでも等しく誠実な価格を提示する「エブリデー・ロー・プライス」に近い誠実な姿勢といえます。こうした企業の決断は、今の時代に非常にマッチしているのではないでしょうか。
信頼を勝ち取るための接客改革とSNSの反応
青山社長が何よりも重要視しているのは、顧客との間に築かれる揺るぎない「信頼」です。これからの店頭では、安さを武器にするのではなく、スーツが持つ本来の機能性や仕立ての良さを丁寧に伝える接客に注力するとしています。SNS上では「最初から適正価格で出してくれる方が買いやすい」「いちいち交渉しなくて済むのは助かる」といったポジティブな反響が広がっており、今のユーザーが価格の根拠を明確に求めている実態が浮き彫りになりました。
個人的な見解としては、この戦略はアパレル業界全体に大きな一石を投じるものだと確信しています。これまでの「二重価格」的な不信感を払拭し、モノの価値で勝負する姿勢は、ブランド価値を高める唯一の道でしょう。2019年10月16日というこのタイミングは、日本のビジネスウェア市場が「価格競争」から「価値創造」へとシフトする歴史的な転換点になるはずです。青山商事が目指す新しい買い物の形が、私たちのライフスタイルをより豊かにしてくれることを期待してやみません。
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