2018年06月18日に発生し、近畿地方を大きな揺れが襲った大阪北部地震から1年以上が経過しました。震度6弱という激震に見舞われた大阪府摂津市では、2019年10月19日までに家屋の修繕状況に関する最終的な調査結果がまとめられています。その内容は、平穏な日常を取り戻すにはまだ遠い、被災地の厳しい現実を突きつけるものでした。調査によると、回答を寄せた世帯の3割を超える167世帯において、いまだに自宅の修繕が完了していないことが判明したのです。
修繕が進まない背景には、深刻な「業者不足」という高い壁が立ちはだかっています。未修繕世帯のうち約4割は、すでに依頼する業者は決まっているものの、工事が始まらない「順番待ち」の状態にあると報告されました。SNS上でも「見積もりをお願いしても数ヶ月先と言われた」「ブルーシートが外せない家がまだある」といった嘆きの声が散見され、現場の切迫した空気が伝わってきます。人手不足という社会問題が、被災者の生活再建に影を落としている事態は、決して見過ごすことはできません。
経済的不安と制度の「隙間」に苦しむ被災者たち
修繕を躊躇している世帯の中には、より切実な事情を抱える方々も存在します。修繕を迷っていると答えた52世帯のうち、およそ半数が「資金不足」といった経済的な困難を理由に挙げているのです。ここで問題となるのが、支援制度の適用範囲です。摂津市で被害を受けた家屋の多くは、建物の損壊割合が一部に留まる「一部損壊」と判定されました。これは瓦の脱落や壁の亀裂などが該当しますが、実は国の公的支援制度では、この判定を受けた世帯は原則として支援の対象外となってしまいます。
制度の枠からこぼれ落ちてしまう人々を救うため、自治体も独自の対策を講じてきました。しかし、摂津市が実施した独自の支援策については、回答世帯の約3割が「内容を知らなかった」と答えており、情報の周知という面でも課題が浮き彫りになっています。被災者の心に寄り添うためには、ただ制度を作るだけでなく、その情報を必要な人の手元へ確実に届ける工夫が求められるでしょう。行政には、経済的な不安を取り除くための更なる支援策と、徹底した広報活動の強化が期待されます。
編集者の視点から言わせていただければ、災害大国である日本において、今回のような「制度の隙間」は全国どこでも起こりうる課題です。一部損壊であっても、そこに住む方にとっては生活の基盤が崩れたことに変わりはありません。大規模な災害の記憶が風化する前に、現行の支援基準をより柔軟なものへと議論を進める必要があるでしょう。一日も早く、全ての被災者が安心して眠れる家を取り戻せるよう、官民一体となった継続的なサポート体制の構築が急務であると強く感じます。
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