コーカサス地方の要衝に位置するジョージア。その舵取りを担うサロメ・ズラビシビリ大統領が、2019年10月22日までに日本経済新聞の取材に応じ、隣国ロシアによる強硬な圧力に屈しない姿勢を鮮明に打ち出しました。ロシア政府は2019年夏から同国への直行便乗り入れを禁止する措置を強行していますが、大統領は「経済的な影響は限定的である」と断言しています。
この騒動の背景には、ジョージア国内で高まった反ロシア感情と、それに対するロシア側の報復措置という緊張した政治情勢が存在します。しかし、SNS上では「ジョージアのワインや美しい風景は、ロシアの規制ごときで輝きを失わない」といった観光客からの力強いエールが数多く寄せられており、大統領の強気な発言を裏付けるような盛り上がりを見せているのです。
大統領が強調するのは、ロシアに依存しない独自の経済圏の確立に他なりません。彼女は、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)への加盟を目指す「親欧米路線」を堅持する方針を改めて示しました。国家の主権を守り抜くためには、特定の巨大な隣国の意向に左右されない、毅然とした外交的・経済的自立が必要不可欠であると考えているのでしょう。
「東西のハブ」構想で描く、地政学的な逆転劇
ここで注目すべきは、ジョージアが推進する「ハブ構想」という戦略的なキーワードです。ハブとは自転車の車輪の中心部を指す言葉で、物流や経済において「多くの拠点を結ぶ中心地」を意味します。ジョージアはアジアと欧州を繋ぐ地理的な優位性を活かし、エネルギーや物流の通過点として、地域全体の中心的な役割を担おうと野心的なプロジェクトを加速させています。
私は、この大統領の決断を非常に高く評価します。一国に依存する経済構造は、常に政治的なリスクと隣り合わせです。2019年10月22日現在、ジョージアが示しているのは、困難な状況を逆手に取って多様な国々との絆を深める「レジリエンス(回復力)」の精神です。この強かな戦略は、同じく地政学的な課題を抱える多くの国にとって、希望の光となるのではないでしょうか。
観光分野においても、ロシア人客の減少を他国からの旅行者増で補い、観光客総数を維持している点は驚異的と言わざるを得ません。ジョージアは今、古い支配の影を振り払い、新しい国際秩序の中でのアイデンティティを確立しようとする歴史的な転換点に立っています。大統領の揺るぎない自信が、この国の明るい未来を力強く牽引していくに違いないと確信しています。
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