米ライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズは、2019年11月04日に同年07月から09月期の四半期決算を公開しました。最終損益は11億6200万ドル、日本円にして約1260億円という巨額の赤字を記録しています。前年同期の赤字額である9億8600万ドルからさらに損失が拡大した形となり、これで6四半期連続の最終赤字となりました。
SNS上では「これほどの大赤字でビジネスが成立するのか」といった驚きの声や、「日本でも見かけるウーバーイーツは好調そうなのに意外だ」という意見が目立ちます。投資家たちの間でも先行きの不透明さを懸念する声が上がっていますが、その内実を紐解くと、単なる衰退とは異なる側面が見えてくるでしょう。
主力事業の採算改善と急成長を遂げるウーバーイーツ
売上高全体に目を向けると、前年同期比30%増の38億1300万ドルと力強い成長を維持していることが分かります。特に注目すべきは、全体の売上を牽引した「ウーバーイーツ」の存在です。料理宅配サービスである同部門の売上高は、前年同期比で64%増となる6億4500万ドルにまで跳ね上がりました。
ここで言う「ライドシェア」とは、一般のドライバーが自家用車を使って乗客を運ぶ相乗りサービスを指しますが、この本業部門も19%増の28億9500万ドルと堅調です。赤字の主な要因は、サービスを支える運転手への報酬負担が依然として重いことにあります。しかし、ライドシェア事業自体の採算は向上しており、赤字幅が市場予想よりも小さく抑えられた点はポジティブな要素といえます。
さらに、貨物トラックの配車サービスも78%増の2億1800万ドルと驚異的な伸びを見せています。メディア編集者としての私の視点では、ウーバーは単なるタクシー代わりのアプリから、物流全般を支える巨大なインフラ企業へと脱皮を図っている最中だと感じます。莫大な赤字は、将来の市場独占に向けた「先行投資」という側面が強いのではないでしょうか。
現在のウーバーは、配送効率を高めるテクノロジーへの投資を惜しまず、ユーザーの利便性を最優先する姿勢を崩していません。短期的には厳しい数字が続いていますが、イーツや貨物部門の成長スピードを考慮すれば、収益化のタイミングは着実に近づいているはずです。今後の配車プラットフォームの覇権争いから目が離せません。
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