【全員経営】ユニフォームネクストの挑戦!若手が牽引する制服通販の社内改革と成長戦略

業務用制服や作業服のインターネット通販で業界をリードするユニフォームネクストが、2017年7月の東証マザーズ上場から約2年が経過し、新たなステージへと向かっています。福井県を拠点とする同社は、2018年末には新社屋への移転と物流拠点の集約を完了させ、地元では「いま最も勢いがある」と高い評価を得ています。この勢いを支えているのが、平均年齢31歳という若さが溢れる社員たちが主体となって進める矢継ぎ早の社内改革、すなわち「全員経営」への挑戦です。専門性の高い業務用ユニフォームを、在庫を確保しデザインや加工まで内製化することで、業界の常識を覆す短納期を実現し、着実に受注を増やしてきました。

しかし、横井康孝社長は、上場という大きな節目を経験した後、一時的に社員の目標意識が薄れ、退職者が出るなど社内から活気が失われつつあったことを率直に明かしています。これは、上場をゴールとして捉えてしまい、その後の目指すべき方向性が社員に見えにくくなったことが原因でしょう。私は、企業が成長し続けるためには、一時的な達成感に留まらず、常に新たなビジョンを共有し続けることが不可欠だと考えます。こうした課題意識から、同社は社員一人ひとりが会社全体を深く理解し、経営に参加する「ボトムアップ体制」の構築に乗り出しました。

この「全員経営」を推進するため、同社は画期的な取り組みを開始しました。まず、一般社員も経営全体を判断できるように、日々の売上高といった重要な経営数値を、可能な範囲で社員自身の端末からいつでも確認できる環境を整備しました。これは、企業の透明性を高め、「コミットメント」(参加意識・主体性)を醸成する上で非常に効果的です。また、2020年春入社予定者の採用活動では、若手社員が中心となり、「どのような人材が必要か」を自ら考え、インターンシップの募集から採用説明会に至るまで、全ての企画と提案を実行しました。現場のニーズに基づいた採用は、企業文化へのフィット感を高めるでしょう。

さらに、従来外部に委託していたシステム開発や商品開発を、あえてノウハウがない状態から内製化する、という大きな挑戦も進められています。これは、時間とコストがかかる側面がありますが、横井社長は「多様な人材の育成と、社内の活気向上には欠かせない」と、その重要性を強調しています。この取り組みの一環として、商品受注業務量を2割削減し、顧客の追加注文や再注文を容易にするための独自開発の基幹システム(企業の主要な業務プロセスを一元管理する中核システム)が2019年8月頃に稼働を予定しています。また、商品企画から加工までを自社内で行うオリジナルの制服開発も活発に進められています。

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📈上場後の業績推移と市場の評価

これらの改革と並行し、上場以来、同社の業績は順調に推移しています。ネットで手軽に発注でき、納期が短いという強みが顧客に支持され、特に作業服などのリピート注文率の高さが業績を力強く牽引しているようです。例えば、2018年12月期の売上高は40億円を達成し、これで2年連続の2桁増収となりました。同社は、2023年12月期に売上高100億円という高い目標を掲げています。

しかし、市場(株式市場)の評価は、現時点では業績の伸びに追いついていない状況です。2019年4月には上場以来の最安値である1,480円を記録し、6月13日の終値でも1,640円と足踏みが続いています。これについて、今村証券調査課の織田真由美課長は、「新社屋建設などに伴う設備投資コストがかさんでおり、2019年12月期の純利益は5.7%減となる見通しであるため、これが株式購入を手控える要因になっている可能性があります」と指摘しています。私は、短期的な投資コスト増による一時的な減益見通しで株価が低迷するのは残念ですが、これは長期的な成長のための「先行投資」であると評価すべきだと考えます。

矢野経済研究所の調査によると、国内の業務用制服市場は建設作業員や飲食関連向けが堅調で、2017年度は前年度比1%増の5,165億円に達し、2020年度には5,286億円となる見通しです。織田課長は、今後、制服をネット通販で購入する企業はさらに増加するはずであり、「ネット通販で首位を走るユニフォームネクストには、中長期的には十分な成長余力がある」と分析しています。この分野における同社のネット通販というビジネスモデルは、これからの働き方や購買方法の変化に合致しており、将来性は非常に高いでしょう。

ユニフォームネクストの上場は、福井県内の企業としては10年ぶりの出来事であり、その後の県内では上場を目指すスタートアップ企業(新規事業を立ち上げる成長志向の企業)が増加するなど、地域に大きな影響を与えています。横井社長は、ふくい産業支援センターが主催するベンチャー塾の塾長も務めており、社内だけでなく社外にも起業家精神と活気を吹き込む役割を担っています。福井を牽引する企業へと成長できるのか、その「全員経営」による挑戦の行方に今後も注目が集まることでしょう。

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