富士ソフト創業者・野沢宏が壁画に込めた「ハイエナ&ハゲタカ」の精神!常識を覆す生存戦略とは

2019年11月27日、富士ソフトの会長を務める野沢宏氏が語ったエピソードは、ビジネス界に鮮烈なインパクトを与えています。東京のJR錦糸町駅前にそびえ立つ自社ビル、その玄関口で来客を迎え入れるのは、なんと「ハイエナとハゲタカ」を描いた異色の壁画です。一般的にはあまり好まれない動物たちをあえて主役に据えたその裏側には、創業期から続く熱い反骨精神が隠されていました。

もともと掲げられていた経営理念「H&H」は、高度な技術を温かみのあるサービスで届ける「ハイテク&ハイタッチ」を意味していました。しかし、いつしか社内では親しみと覚悟を込めて「ハイエナ&ハゲタカ」の略称として定着していったのです。日の当たる場所を歩むライオンにはなれずとも、過酷な環境で仲間と協力し、獲物の骨まで食い尽くして生き抜く。そんな力強い意志がこの言葉には宿っています。

この独特な理念に対し、SNS上では「かっこよすぎる泥臭さ」「エリート意識とは無縁の強さを感じる」といった驚きと共感の声が広がりました。かつて、横浜市旭区にある左近山団地のわずか4畳半の部屋から始まった富士ソフトの歩みは、決して平坦ではありませんでした。野沢氏を含む3名の社員と数人のアルバイトが、狭い室内で昼夜を問わずソフトウェア開発に没頭する毎日を過ごしていたのです。

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不遇の時代を支えた「骨まで食らいつく」執念

創業当時の1970年代から80年代にかけて、同社は大手企業が敬遠するような低単価で難易度の高い案件もすべて引き受けていました。いわゆる「下請け」という立場では、発注元の設計図に不備があっても指摘できず、理不尽なトラブルの責任を負わされることも少なくありません。悔し涙を流す従業員もいる中で、彼らを支えたのは「どんな仕事でもやり遂げて生き残る」というハイエナのような執念でした。

興味深いことに、野沢氏は動物たちの生態についても独自の視点を持っています。一般的にライオンは勇猛なイメージがありますが、実はメスが狩った獲物を真っ先に横取りする怠惰な側面があるといいます。一方で、ハイエナは優れたチームワークで自ら獲物を仕留める知的なハンターです。「先入観や固定観念に縛られるな」という教訓が、2019年11月27日現在もこの壁画を通じて社員たちに伝えられています。

私がこの記事を読んで最も感銘を受けたのは、泥臭い努力を「恥」とせず、むしろ「誇り」へと昇華させた野沢氏の編集力です。2次請け、3次請けという厳しいIT業界の構造を生き抜くために、自分たちをあえて「ハイエナ」と定義し直すことで、逆境を結束力に変えた手腕は見事としか言いようがありません。華やかな成功談よりも、こうした地を這うような生存戦略こそが、現代のビジネスパーソンの胸を打つのです。

壁画そのものよりも、それを取り囲む大理石の額縁の方が高価であるというエピソードも、飾らない実利主義を象徴していて実にユニークですね。現在は過去の理念となった「H&H」ですが、その魂は今も錦糸町のビルに刻まれています。常識を疑い、仲間を信じてしぶとく勝ち残る。そんな富士ソフトの原点は、不透明な時代を生きる私たちに、大切な「心の在り方」を教えてくれているのではないでしょうか。

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