すかいらーくが増益!ガストやしゃぶ葉が仕掛ける「高付加価値戦略」と外食チェーンの未来

ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスが、2019年11月14日に発表した2019年1月1日から2019年9月30日までの連結決算は、非常にポジティブな内容となりました。営業利益は199億円に達し、前年同期と比べて6%もの増加を記録しています。深刻な人手不足に伴う人件費の高騰という逆風が吹く中で、この成長を支えたのは「メニューの質の向上」と「積極的な新規出店」による増収効果でした。

今回の決算において、最高財務責任者の北村淳氏は、夏場の天候不順という障壁がありながらも、期間限定メニューの成功が大きな鍵を握ったと分析しています。主力の「ガスト」では、日本各地の「ご当地グルメ」や麺類に焦点を当てたフェアが、消費者の心を掴みました。特に期間限定で提供された「とり天」は、一時的に品薄状態に陥るほどの爆発的な人気を博しており、単なる食事以上の付加価値を提供することの重要性が証明されています。

また、近年注目を集めている「しゃぶ葉」や、から揚げ専門店「から好し」など、ニーズを捉えた新業態の展開も順調です。2019年9月30日までに58もの新規店舗を開業させたことが、全体の売上収益を3%増の2852億円へと押し上げました。既存店に限ってみても売上高は2%増加しており、客数が2%減少した一方で、客単価が約4%上昇した点は注目に値します。これは消費者が、多少価格が高くても魅力的な商品には投資を惜しまない傾向を示しています。

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外食大手が競う「体験価値」と価格戦略の成功

すかいらーくだけでなく、他の外食大手も「価格以上の価値」を打ち出すことで利益を伸ばしています。回転すしのスシローグローバルホールディングスは、2019年9月期の営業利益が前期比24%増という驚異的な伸びを見せました。こちらは、あえて100円の低価格帯メニューの比率を下げ、150円や300円といった「納得感のある高品質な皿」を充実させる戦略が功を奏しています。タピオカドリンクなどのトレンドを抑えたスイーツの拡充も、客層を広げる大きな武器となりました。

牛丼チェーンの「すき家」を運営するゼンショーホールディングスも、トッピングによる多様な味わいの提案で利益を3割増加させています。SNS上では「ガストのご当地フェアの再現度が高い」「スシローのスイーツが専門店レベルで驚く」といった声が散見され、単にお腹を満たす場所から、食のエンターテインメントを楽しむ場所へとファミレスの定義が変化している印象を受けます。人件費上昇という課題を、創造的なメニュー開発で克服する姿勢は称賛に値するでしょう。

しかし、楽観視できないのが2019年10月1日から実施された消費税増税の影響です。家計の防衛意識が高まる中で、10月の既存店売上高は明暗が分かれました。北村CFOが指摘するように、消費者が価格に対してよりシビアになる中、今後は単なる値上げではなく、AIの活用やオペレーションの効率化といった「生産性の向上」が不可欠になるはずです。外食産業は今、質の高い体験とコストパフォーマンスをいかに両立させるかという、新たなステージに立たされています。

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