DICが2019年12月期予想を下方修正!自動車・スマホ向け不振とBASF顔料事業買収の裏側

化学業界の大手であるDICが、2019年11月14日に発表した業績予想の下方修正が市場に大きな波紋を広げています。2019年12月期の連結純利益は、これまでの予想から80億円も引き下げられ、前期比31%減の220億円にとどまる見通しとなりました。主力である自動車向け樹脂製品の需要が想定を超えて落ち込んでいることが、今回の苦境の主因として挙げられています。

今回の発表を受け、SNSや投資家の間では「配当の減額が痛い」「自動車市場の冷え込みが想像以上だ」といった悲鳴に近い声が上がっています。特に期末配当が従来予想から25円減額され、40円となる方針が示されたことは、株主にとって大きな衝撃だったに違いありません。年間配当も100円となり、昨年度の実績から25円も少なくなってしまうのは、投資家心理を冷やす要因となります。

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多角化ゆえの苦境?スマホ・液晶市場の激化する競争

DICを苦しめているのは自動車関連だけではありません。スマートフォン向けの部品固定テープやエポキシ接着剤といった高機能材料も、中国などの海外市場で厳しい戦いを強いられています。エポキシ接着剤とは、耐熱性や接着力に優れた樹脂のことで、精密機器の組み立てには欠かせない素材ですが、競合他社とのシェア争いや価格競争が激しさを増し、収益を圧迫しているのが現状です。

さらに液晶テレビ向けの表示材料についても、中国や韓国のメーカーが台頭したことで販売価格の下落が止まりません。かつては日本の得意分野であったディスプレイ市場ですが、現在はアジア諸国との激しいコスト競争の渦中にあります。インキ事業においても、欧米を中心としたペーパーレス化の影響で出版用需要が減退しており、まさに全方位から逆風が吹き荒れている印象を受けます。

買収費用と火災の不運、そして将来への視点

今回の下方修正には、ドイツの化学大手であるBASF社から顔料事業を買収することに伴う一時費用や、倉庫で発生した火災の影響なども含まれています。不運なアクシデントと、将来の成長に向けた「攻め」の投資費用が重なった形ですが、短期的には利益を大きく削る要因となりました。2019年11月14日の株式市場では、決算内容を受けて株価が一時4%安まで急落する場面も見られました。

私個人の見解としては、今回の減益は世界的な景気減速を象徴する出来事だと感じています。特に米中貿易摩擦などの影響で製造業全体が停滞する中、化学メーカーはその「上流」に位置するため、ダメージをダイレクトに受けてしまいます。しかし、BASFの事業買収は世界シェアを拡大するための重要な布石です。今は耐え時ですが、この投資が次期以降のV字回復に繋がるかどうかが注目のポイントでしょう。

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