音楽という芸術の世界に疎いと感じていた一人の法律家が、本物のクラシック音楽が持つ深い魅力に目覚めることとなりました。そのきっかけを与えたのが、現在はイタリアのミラノを拠点に世界的な活躍を続けているピアニスト、吉川隆弘さんです。彼との出会いは今から十数年前にまで遡り、現在では年に2回開催される日本でのリサイタルへ足を運ぶことが、生活の中で欠かせない大切な習慣となっています。
この素敵な巡り合わせの背景には、私の妻が学生時代から情熱を傾けてきた「声楽」という歌唱芸術の存在がありました。実は、妻が長年師事していた恩師こそが、吉川さんのお母様である恵利さんだったのです。ご自宅へ伺った際、まだ小学生だった隆弘さんがひょっこりと顔を出した光景は、今でも鮮明に記憶に残っています。幼い頃から彼は、作曲家が楽譜に込めた意図を真摯な眼差しで語っていたそうで、その早熟な才能には驚きを隠せません。
SNS上では「吉川さんの演奏は繊細でありながらも、聴く者の魂を揺さぶる強さがある」といった称賛の声が多く寄せられています。私は日々、司法に関わる厳格で難解な文章と向き合う生活を送っていますが、彼が綴る楽曲の紹介文には、不思議と心に深く突き刺さる力があるのです。専門的な音楽理論を超え、物事の本質を突くような哲学的で簡潔な表現力は、彼が幼少期から積み重ねてきた深い思索の結晶と言えるでしょう。
弁護士会での奇跡的な演奏会と友情の証
彼が日本で本格的な演奏活動を開始して以来、私は自称「後援会の名誉会長」として、その活動を陰ながら応援し続けてきました。特に心に残っているのは、2011年に実施した大阪弁護士会の会員向けコンサートです。会場にあったピアノは、プロが演奏するにはメンテナンスが十分とは言い難い状態でしたが、彼は見事な技術で素晴らしい音色を引き出してくれました。無事に大役を終えた彼の姿を見て、安堵した記憶は今も良き思い出です。
リサイタルの終了後に親しい友人たちと集う食事会は、演奏中のストイックな姿とは異なる彼の素顔に触れられる貴重なひとときとなります。知性とユーモアに溢れた語り口で周囲を笑顔にする彼の振る舞いは、まさにエンターテイナーそのものです。私のような門外漢を未知なる感動へと導いてくれたこの運命的な出会いに、改めて深い感謝の念を抱いています。
一見すると遠い存在に思える「法」と「音楽」ですが、どちらも人間の情熱や調和を追求するという点では共通しているのかもしれません。私はこれからも、この素晴らしいピアニストの歩みを支える名誉会長として、全力で彼を応援し続ける決意です。2019年11月15日現在、彼の奏でる音楽がより多くの人々の心に届くことを、一人のファンとして切に願ってやみません。
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