長きにわたる差別の歴史に、ようやくひとつの区切りが打たれようとしています。かつて国が進めた誤った隔離政策によって、筆舌に尽くしがたい苦難を強いられてきたハンセン病元患者のご家族を救済するための「ハンセン病元患者家族補償法」が、2019年11月22日に施行されました。
この法律は、社会の偏見によって人生を翻弄された方々の精神的苦痛を認め、国として公式に謝罪し、金銭的な補償を行う画期的なものです。施行当日より申請の受付がスタートしており、早ければ2020年1月末にも実際の支給が開始される見通しとなっています。
インターネット上では、このニュースに対して「あまりに遅すぎた一歩だが、ようやく国が責任を認めた」「ご存命のうちに一人でも多くの方へ届いてほしい」といった、安堵と早期支給を願う声が数多く寄せられています。SNSでも拡散されており、社会的な関心の高さが伺えます。
補償金の具体的な内容と対象となる方々
今回の制度では、元患者との関係性に応じて支給額が定められています。具体的には、元患者の配偶者や親子の方々には180万円、きょうだいや同居していた親族などには130万円が支払われる仕組みです。これは、家族というだけで受けた不当な差別の重みを考慮した金額でしょう。
厚生労働省の試算によれば、対象となる方は全国で約2万4000人に上り、予算規模は約400億円という巨額なものになります。これまで声を上げられずにいた潜在的な対象者がいかに多いか、この数字が物語っているのではないでしょうか。
なお、2019年6月の熊本地裁判決で勝訴が確定した訴訟原告のうち、すでにお亡くなりになられた方については、補償法の対象からは外れますが、別途「特別一時金」として同額が支払われるよう省令で整えられています。誰一人取り残さないという姿勢が重要です。
申請手続きの流れと期限についての注意点
支給を受けるためには、厚生労働省への申請が必要です。元患者との親族関係を証明する戸籍などの資料を添えて、書類を提出しなければなりません。もし関係を直接証明することが難しいケースでも、専門家による認定審査会が設けられ、個別の事情が考慮される体制です。
手続きに関して不明な点がある場合は、専用ダイヤル(03-3595-2262)やメールでの相談が可能となっています。プライバシーへの配慮もなされるため、まずは勇気を持って一歩を踏み出していただくことが大切だと私は考えます。
大切なポイントとして、この補償金には期限が設定されています。2024年11月21日までに請求を行わないと、権利が消滅してしまいます。5年という期間は長いようでいて、あっという間です。この記事を機に、心当たりのある方はぜひ制度の詳細を確認してください。
ハンセン病とは、かつて「らい病」と呼ばれた「らい菌」による感染症ですが、現代では特効薬により完治する病気です。病そのものよりも、人々の偏見が家族を引き裂いてきた事実を、私たちは決して忘れてはならないのです。
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