2019年も残すところあとわずかとなりましたが、東京都の未来を左右する重要な議論が幕を開けようとしています。東京都議会は2019年11月26日に議運理事会を開き、同年12月3日から12月18日までの16日間にわたる第4回定例会のスケジュールを決定しました。今回の議会では、秋に猛威を振るった台風への対策をはじめ、私たちの暮らしに直結する数多くの議案がテーブルに並ぶ予定です。
SNS上では、度重なる自然災害への不安から「迅速な復旧支援をお願いしたい」という声や、新しい働き方への期待が数多く寄せられています。都民の関心が非常に高い中で行われる今回の定例会では、一般会計で総額144億円にものぼる2019年度補正予算案が最大の焦点となるでしょう。この予算は、甚大な爪痕を残した台風19号の被害からの復旧や、今後の防災力強化に重点的に投入される見通しとなっています。
共生社会の鍵を握る「ソーシャルファーム」と規制緩和の行方
提出される53件の議案の中でも注目すべきは、全国的にも珍しい「ソーシャルファーム」の創設を促進する条例案です。ソーシャルファームとは、就労に困難を抱える障害者やひとり親世帯の方々などが、自律的に働ける場を提供する社会的企業のことを指します。単なる福祉的な支援に留まらず、ビジネスとして自立を目指すこの仕組みは、多様性を認め合う東京の新しいモデルケースになるに違いありません。
また、時代の変化に合わせた経済活性化策も打ち出されています。卸売市場における規制を緩和し、海外への輸出やインターネットを通じた電子商取引(EC)を活性化させるための条例案も審議される予定です。古くからの慣習に縛られがちな市場ビジネスが、最新のテクノロジーと融合することで、東京の食文化が世界へと羽ばたく大きなチャンスを迎えるのではないでしょうか。
さらに、身近な行政サービスの形も変わりつつあります。2020年度に荒川区、江戸川区、世田谷区が独自の児童相談所を開設することに伴い、必要な改正条例案が提出されます。これまでは都が一括して担ってきた児童福祉ですが、より地域に密着した区が主体となることで、子供たちのSOSに迅速に対応できる体制が整うことを、私は強く期待しています。
小池知事の登壇と熱い論戦が交わされる師走の議場
注目の開会日となる2019年12月3日には、小池百合子知事が本会議で所信表明を行う予定です。知事がどのような言葉で東京のビジョンを語り、目前の課題に切り込むのか、その一挙手一投足から目が離せません。その後、12月10日には各会派による鋭い代表質問が、翌12月11日には議員個人の視点による一般質問が実施され、都政の透明性が厳しく問われることになります。
筆者の個人的な見解としては、多額の税金が投入される補正予算が、単なる現状復帰ではなく、未来の災害に強い「スマートな復興」に使われることを望みます。また、ソーシャルファームのような先進的な取り組みが、一部の理想に終わることなく、誰もが誇りを持って働ける社会の基盤となることを切に願ってやみません。師走の寒さを吹き飛ばすような、熱気あふれる議論を期待しましょう。
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