大学の真の価値を測る指標として、受験生や保護者、ビジネスシーンからも熱い視線が注がれる「大学ブランド力」。日経BPコンサルティングは、2019年11月27日までに最新の「大学ブランド・イメージ調査 2019-2020」の結果を発表しました。首都圏の120校を対象とした今回のランキングでは、数年間にわたる膠着状態が崩れ、教育界に新たな風が吹き込んでいる様子が鮮明となっています。
注目すべきは、私立の双璧をなす「早慶」の順位変動でしょう。早稲田大学が慶應義塾大学を上回り、2013-2014年調査以来、実に6年ぶりとなる総合2位の座を奪還しました。SNS上では「早稲田の勢いが戻ってきた」「やはり個性の強さが評価されたのでは」といった驚きと納得の声が広がっています。一方で東京大学は5年連続で首位を盤石なものとし、最高学府としての圧倒的な存在感を改めて見せつける結果となりました。
「自由闊達」な早稲田と「一流感」の東大、それぞれの勝ち筋
今回の調査では、各大学が持つ独自のカラーがより明確に数値化されています。ブランド力とは、大学の認知度や教育内容、学生の質など多角的な評価を「偏差値」の形式で算出したものです。首位の東大は「ステータスが高い」「一流感がある」といった権威性で他を圧倒しました。一方、2位へ浮上した早大は、単なる知名度だけでなく「自由闊達」「学生が個性的」という項目でトップ評価を獲得しており、多様性を重んじる時代の空気感とマッチしたといえるでしょう。
3位に後退した慶應義塾大学ですが、決して評価を落としたわけではありません。「就職状況が良い」「成功している」という実利面での強さは健在であり、ビジネス界からの信頼の厚さが際立ちます。また、今回の大躍進として語り草になりそうなのが、前回の7位から4位へと順位を押し上げた一橋大学です。上昇率でも高い数値を記録しており、少数精鋭の教育体制が改めて再評価されている現状が見て取れます。
トレンドを牽引する青学と、地域を代表する名門たちの輝き
「いま注目されている」という項目でトップに輝いたのは、青山学院大学でした。正月の箱根駅伝での輝かしい活躍はもちろん、調査時期である2019年8月から9月にかけては、卒業生である滝川クリステルさんの結婚報道も話題となりました。こうしたメディア露出とスタイリッシュな校風が重なり、世間の関心を一手に集めた形です。特定のニュースが大学のイメージ向上に寄与する現象は、現代の情報化社会ならではの動きと言えるかもしれません。
東京都以外に目を向けると、各県の伝統校が意地を見せています。神奈川県では19位の横浜国立大学に加え、20位にランクインしたフェリス女学院大学の健闘が光ります。フェリス女学院大は「上品・誠実」という項目で初の首位を獲得し、ブランドの純度を証明しました。また、千葉県では23位の千葉大学、埼玉県では57位の埼玉大学がそれぞれ県内トップを堅持しています。地域に根ざした知の拠点は、今後も安定した信頼を集めていくことでしょう。
筆者の視点として、今回の結果は「偏差値至上主義」から「個性と実力の共存」へと評価軸がシフトしている証左だと考えます。かつての序列に甘んじることなく、変化し続ける大学こそが、これからの時代を生き抜くブランドを築けるのです。2019年という転換点において、早稲田が示した「個性」への評価は、他の大学にとっても生き残りのための大きなヒントになるに違いありません。
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