大学の価値を測る指標は、偏差値だけではありません。2019年11月28日、日経BPコンサルティングが発表した「大学ブランド・イメージ調査2019-2020」の結果から、東北エリアにおける大学の「真の実力」が明らかになりました。今回の調査では、地域のビジネスパーソンや保護者からの視点が反映されており、単なる学歴を超えた社会的な信頼度が可視化されています。
栄えある総合ブランド力1位に輝いたのは、やはり東北大学でした。全49項目中、なんと33項目で首位を独占するという圧倒的な強さを見せつけています。特に「チャレンジ精神がある」といった項目で高く評価されており、伝統にあぐらをかかない姿勢が支持されています。SNS上でも「やはり東北の雄は揺るがない」「研究力の高さがイメージに直結している」といった納得の声が多く寄せられていました。
国立大学が上位を独占!岩手大と山形大の躍進に注目
注目すべきは、2位に浮上した岩手大学と3位の山形大学の勢いでしょう。岩手大学は前年の4位からランクアップし、ブランド総合力の伸び率ではトップを記録しました。「親しみが持てる」という項目で1位を獲得しており、地域に根差した温かみのある校風が、着実に人々の心に届いているようです。親しみやすさは、大学が地域社会と手を取り合う上で欠かせない要素と言えるでしょう。
3位の山形大学も前年の5位から順位を上げ、国立大学がトップ3を占める結果となりました。ここで注目したいのが「地域産業に貢献している」という評価で1位に輝いた点です。大学ブランドにおける「地域貢献度」とは、地元の企業や自治体といかに深く連携し、実社会にインパクトを与えているかを示す重要な指標です。山形大学はこの分野で、東北を代表する顔としての地位を確立しています。
山形大学の強みを支えているのは、工学部を中心とした積極的な産学連携です。産学連携とは、教育機関である大学と民間企業が協力して、新しい技術の開発や人材育成を行う仕組みを指します。同校では起業家育成プログラムを立ち上げ、自校の学生のみならず社会人まで幅広く受け入れています。こうしたオープンな姿勢こそが、今の時代に求められる大学の姿ではないでしょうか。
広報戦略が実を結んだ石巻専修大学の劇的なランクアップ
私立大学の中でも、鮮やかな躍進を見せたのが17位の石巻専修大学です。前回の25位から一気に順位を押し上げた背景には、2019年に迎えた創立30周年という大きな節目がありました。記念イベントの開催や特設サイトの運営といった多角的なPR活動が功を奏し、「広報活動に力を入れている」という項目で堂々の1位を獲得しています。
情報が溢れる現代において、どれだけ優れた教育を行っていても、それが伝わらなければブランドは築けません。石巻専修大学の成功は、適切な情報発信がいかに大学の認知度や信頼感を高めるかを証明しました。ネット上でも「最近よく名前を聞くようになった」「活気があるイメージに変わった」という反応が見られ、戦略的な広報がブランド形成に与える影響の大きさを物語っています。
編集者としての私見ですが、今回の調査結果からは、東北の人々が大学に対して「実用性」と「地域との繋がり」を強く求めていることが見て取れます。偏差値という物差しだけでは測れない、地域経済を支えるエンジンとしての役割こそが、大学ブランドの本質と言えるでしょう。各大学がそれぞれの強みを活かし、切磋琢磨することで、東北全体の知のレベルがさらに引き上げられることを期待して止みません。
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