厚生労働省が2019年11月29日に発表した最新のデータによると、2019年10月における中国地方5県の有効求人倍率は1.87倍という結果になりました。これは、仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す指標で、季節による変動を調整した数値では前月と変わらない横ばいの推移を見せています。
注目すべきは、全国平均である1.57倍を大幅に上回っている点でしょう。日本国内の10地域の中で最も高い水準をキープしており、このエリアの労働需要がいかに旺盛であるかが伺えます。SNS上でも「地元に戻れば仕事が見つかりやすいのか」といった期待の声が上がる一方で、産業構造の変化を懸念するシビアな意見も飛び交っています。
好調な数字の裏側では、世界経済の荒波が影を落とし始めているようです。米中貿易摩擦の激化や中国経済の成長鈍化が、地元の基幹産業である製造業にブレーキをかけています。特に岡山県や島根県では、工場側が新しい人を雇う「新規求人」を控える動きが顕著になっており、先行きの不透明感が強まっているのでしょう。
地域ごとに明暗分かれる!岡山と島根の現状
岡山県の有効求人倍率は、前月より0.02ポイント下がって1.99倍となりました。2カ月連続の下落ではありますが、広島県と並んで東京都に次ぐ全国2位という非常に高いポジションに位置しています。2018年の西日本豪雨で被害を受けた食品スーパーが営業を再開するなど、地域復興に伴う卸売・小売業の求人が全体を支えています。
しかし、製造業に目を向けると、2019年10月の新規求人数は前年の同じ時期と比べて16%も減少しました。一方、島根県でも厳しい状況が見て取れます。有効求人倍率は1.68倍で、製造業の新規求人数は前年同月比で25%減という大幅な落ち込みを記録しました。鉄鋼や電子部品といった分野での求人減が、この数値に大きく響いています。
編集者の視点から申し上げますと、今の中国地方は「人手不足」と「景気後退」の狭間に立たされていると感じます。全体の倍率が高いため一見すると安泰に思えますが、特定業種での落ち込みは地域経済の体力を奪いかねません。製造業の減速が他のサービス業へ波及する前に、多角的な雇用対策を講じることが、今後の安定した成長への鍵となるはずです。
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