2019年11月17日、タイの首都バンコクは、アジアの安全保障を揺るがす熱い議論の舞台となりました。東南アジア諸国連合(ASEAN)と各国の国防相が集結するなか、アメリカのエスパー国防長官が、南シナ海における中国の強引な海洋進出に対して、かつてないほど強い口調で警鐘を鳴らしています。
現在、南シナ海では中国による人工島の建設が進み、着々と軍事拠点化が行われています。エスパー氏はこうした現状を「違法行為」と断じ、国際社会がこれを正当化するような事態は断じて許されないと強調しました。これにはネット上でも「アメリカの毅然とした態度は心強い」といった、秩序維持を支持する声が目立っています。
特に焦点となっているのが、紛争を未然に防ぐためのルールである「行動規範(COC)」の策定です。これは紛争回避に向けた重要な枠組みですが、もし中国の主導で一方的に中身が決まってしまえば、他国の主権や自由を奪う「毒薬」になりかねません。エスパー氏は、自由を愛する国々にとって有害な結果を招くと強く懸念しています。
航行の自由作戦が示す、揺るぎない正義の意思
アメリカは具体的な対抗措置として、「航行の自由」作戦の継続を表明しました。これは、中国が領海だと主張する人工島から12カイリ(約22キロメートル)以内の海域に、あえて軍艦を派遣する作戦です。これによって、国際法上は誰でも自由に通り抜けられる公海であることを、身をもって証明し続けているのです。
エスパー長官はASEAN諸国に対し、すべての国が手を取り合って中国の独断を押し戻そうと熱烈に呼びかけました。しかし、外交の現場では複雑な力学が働いています。直前の2019年11月初旬に開催された東アジア首脳会議では、議長声明の文言を巡って激しい駆け引きが行われたばかりです。
当初の声明案では中国の行動に「重大な懸念」を示す予定でしたが、中国側の激しい抗議を受け、最終的には「いくつかの懸念」という穏やかな表現にトーンダウンしてしまいました。言葉一つの重みが国際社会での立場を左右するなか、中国の影響力が無視できないレベルに達していることが浮き彫りになっています。
一方で中国の魏鳳和国防相もASEANと接近し、2度目となる共同海洋演習の実施で合意を取り付けるなど、着々と自陣営の構築を進めています。アメリカが掲げる「開かれたインド太平洋」と、中国の海洋権益拡大が正面からぶつかり合う、極めて緊張感のある局面を迎えているといえるでしょう。
私は、この対立は単なる領土問題ではなく、国際秩序そのものを巡る戦いだと考えています。もし特定の国が独善的にルールを書き換えることを許せば、将来的に世界の海から自由が失われるかもしれません。今は不透明な状況が続きますが、公正なルール作りが進むことを願って止みません。
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