今、日本のスタートアップ界隈で最も熱い視線を浴びているのは、間違いなくバイオ・医薬品分野と言えるでしょう。2019年11月18日に発表された「NEXTユニコーン調査」の結果によれば、従業員1人当たりの企業価値において、上位20社のうち約3割にあたる7社をバイオ勢が占めるという驚きの結果が出ました。
この調査で算出された1人当たりの平均企業価値は、なんと3億4000万円にものぼります。これは近年注目を集めてきた人工知能(AI)分野に匹敵する数字であり、少数の精鋭たちがどれほど巨大な富と可能性を生み出しているかを物語っています。SNS上でも「バイオ企業の生産性が異次元すぎる」「これぞ知識集約型産業の極み」といった驚きの声が相次いでいます。
ゲノム編集がもたらす医療革命と投資の加速
なぜ、これほどまでにバイオ分野への期待が高まっているのでしょうか。その鍵を握るのは「ゲノム編集」に代表される革新的な技術の台頭です。ゲノム編集とは、生命の設計図である遺伝子を効率よく、かつ正確に書き換える技術を指します。これにより、これまで治療が困難だった難病やがんに対して、根本的な解決策を提示できる可能性が見えてきました。
2000年代前半にも一度バイオブームは訪れましたが、当時は化学合成やがんワクチンが主役でした。対して現在は、遺伝子そのものにアプローチする、より根源的なアプローチへと進化しています。ネット上では「ついにSFの世界が現実になった」「投資のリスクはあるが、社会に与えるインパクトが他とは違う」といった熱烈な応援コメントが目立ちます。
もちろん、創薬には莫大な研究開発費が必要ですし、各国の厳しい規制という壁も存在します。しかし、大手製薬会社は次なるイノベーションの種を求め、スタートアップとの共同研究やM&A(合併・買収)に極めて意欲的です。1つ成功すれば世界を救う可能性があるからこそ、リスクを上回る期待値がこの3億4000万円という数字に反映されているのでしょう。
世界市場を見据えた日本の挑戦
バイオ企業の戦場は、すでに日本国内に留まりません。世界最大の医療市場である米国では、上場後に時価総額が1000億円を超えるゲノム編集関連企業が次々と誕生しています。米国は優れた技術や新薬の販売を後押しする政策が充実しており、日本のスタートアップにとっても、創業初期から米国進出を視野に入れることが成長の絶対条件となりつつあります。
編集者の視点から見ても、現在のバイオ企業の躍進は単なるブームではなく、人口増加と高齢化という地球規模の課題に対する必然的な解決策だと感じます。AIやフィンテックを抑えて上位に食い込むバイオの底力は、まさに「命の価値」を追求する産業ならではの強みです。技術の進歩が医療の供給側にとって空前の好機となっている今、彼らの成長から目が離せません。
コメント