身近な家電が瞬時にインターネットと繋がる、魔法のようなデバイスが注目を集めています。スマート電池の開発を手掛けるスタートアップ企業、ノバルス株式会社は、2019年11月19日までに、中部電力株式会社および日東工業株式会社を引受先とした第三者割当増資を実施したことを発表しました。今回の出資額は公表されていませんが、戦略的な提携を見据えた少額出資であると考えられます。
この投資の核となるのが、ノバルスが誇る画期的な製品「MaBeee(マビー)」です。これは「IoT(アイオーティー)」、つまり、これまでネットワークとは無縁だった様々な「モノ」をインターネットに接続する技術を、電池一本で実現する驚きのツールなのです。専門用語で語られがちなIoTですが、要するに「身の回りの道具が賢くなり、遠隔で状況がわかるようになること」だと捉えれば非常に分かりやすいでしょう。
現在市販されている「MaBeee」は、外見こそ一般的な単3形乾電池と同じですが、その内部に単4形電池と通信機能を備えています。これをテレビのリモコンなどに装着するだけで、高齢者の生活をそっと見守る「マビーみまもり電池」として機能します。離れて暮らす家族がリモコンを操作すると、その活動データがクラウド経由で通知される仕組みは、プライバシーを守りつつ安心感を与えてくれます。
SNS上では「カメラでの監視は抵抗があるけれど、電池なら自然に導入できる」「実家の親に使ってもらいたい」といった共感の声が広がっています。大掛かりな工事や高価な専用機器を必要とせず、ただ電池を入れ替えるだけという圧倒的な手軽さが、これまでの見守りサービスのハードルを劇的に下げたといえるでしょう。編集部としても、この「日常に溶け込む技術」こそが真のイノベーションだと感じています。
インフラ監視から未来の電源へ!広がるコネクテッドバッテリーの可能性
出資に参加した中部電力は、この見守り機能を活用した新たなライフサポートサービスの展開を視野に入れています。一方の日東工業は、電気や情報インフラといった設備が正常に動いているかを遠隔でモニタリングするシステムに、ノバルスの技術を応用する構えです。家庭内にとどまらず、社会を支えるインフラの保守点検を効率化する手段としても、このスマート電池は大きな期待を背負っています。
現在は単3形のみのラインナップですが、ノバルスの岡部顕宏社長は「将来はあらゆる形状の電池に対応させたい」と力強く語っています。すべての電池がネットに繋がる「コネクテッドバッテリー」の世界が実現すれば、私たちの生活はより便利で安全なものに進化するでしょう。既存のインフラを変えずに中身の電源だけをアップデートするという逆転の発想が、日本のIoT市場を牽引していくに違いありません。
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