株式市場の空気が、2019年11月の今、劇的な変化を遂げようとしています。米JPモルガンの著名ストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏は「マネーの奔流が変わり始めた」と強い確信を口にしました。世界景気の先行きに対する投資家の視線が、これまでの「疑心暗鬼」から「楽観」へと大きく舵を切る前兆が現れているのです。このうねりは、2020年に向けて日本株を押し上げる強力な追い風となるでしょう。
コラノビッチ氏が注目するのは、投資家が選ぶ銘柄の「色の変化」です。これまで市場を牽引してきた「モメンタム株(成長株)」や「ディフェンシブ株(守りの株)」から、ついに「バリュー株(割安株)」や「シクリカル株(景気敏感株)」へと資金が移動し始めました。SNS上でも「出遅れていた銘柄に火がついた」「ついに本命の出番か」と、投資家たちの期待に満ちた声がにわかに高まっています。
成長株から割安株へ!潮目が変わる銘柄選別の最前線
ここで少し専門用語を紐解いてみましょう。「バリュー株」とは、企業の利益や資産に対して株価が本来の価値より安く放置されている銘柄を指します。一方の「シクリカル株」は、景気の良し悪しに業績が敏感に反応するエネルギーや素材、自動車などの業種のことです。景気後退が懸念されていた時期は、業績が安定した電力などの内需株が好まれましたが、今はその逆、つまり景気回復を先取りする動きが顕著になっています。
2019年11月18日の東京市場では、この変化が如実に表れました。代表的な景気敏感株である東京エレクトロンが年初来高値を更新し、アドバンテストも4%を超える急騰を見せています。一方で、これまで堅調だった小売りや食品といった守りの銘柄には陰りが見えてきました。市場の主役が、明らかに「次なるステージ」へと交代しようとしている様子が、数字となって現れています。
コラノビッチ氏は、2〜3年周期で訪れる景気循環が底を打ったと分析しています。JPモルガンが算出するアジア景気指数は、2019年10月に約3年半ぶりのプラス圏へ浮上しました。このポジティブな変化を敏感に察知したヘッジファンドや、アルゴリズムを駆使するクオンツファンドが、今の強気相場を力強く先導しています。日本株は金融や輸出関連の比率が高いため、この流れは非常に有利に働きます。
過去の爆上げ相場と酷似?2020年への期待が高まる理由
実は、こうした割安株への資金シフトは、過去の大きな上昇局面の前触れでもありました。日経平均が年間で約2割も上昇した2017年や、5割以上も暴騰した2013年の直前にも、同じような現象が起きていたのです。現在、成長株と割安株の格差を示す指標は、11月初旬にピークを打ったように見えます。これは、まさに歴史的な上昇相場が幕を開ける「サイン」といっても過言ではないでしょう。
外部環境も好転しています。2019年11月の機関投資家調査によると、世界経済が改善すると答えた割合が過去最大の幅で上昇しました。米中貿易摩擦の緩和への期待が、冷え込んでいた投資家心理を一気に溶かした形です。年明けの2020年1月から3月には、慎重だった年金などの長期投資家もこの流れに乗る可能性が高く、相場の底堅さはさらに増していくことが予想されます。
編集者の視点から言えば、現在の市場は「期待」という最高のガソリンを得た状態です。もちろん短期的な調整はあるでしょうが、大局的な「景気強気シナリオ」は揺るがないと感じます。SNSでは「乗り遅れるな」という焦燥感すら漂い始めていますが、今こそ冷静に、かつ大胆にこのうねりを見守るべき時です。懐疑の中で育ち始めたこの相場が、2020年にどこまで化けるのか、期待せずにはいられません。
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