2020年度診療報酬改定の衝撃!医師の働き方改革と私たちの家計はどう変わる?

日本の医療現場を支える医師たちが直面している過酷な労働環境に、ようやく変化の兆しが見えてきました。厚生労働省は2019年11月14日、医療機関へ支払われる「診療報酬」の2020年度改定において、勤務医の長時間労働を是正するための支援を強化する検討に入りました。

診療報酬とは、私たちが病院で受ける診察や検査といった医療サービスの対価として、国が定める公定価格のことです。この仕組みによって全国どこでも一定の質の医療を受けられますが、2年に1度行われるこの改定は、私たちの窓口負担額にも直結する極めて重要なイベントなのです。

今回の改定で焦点となっているのは、医師の仕事を看護師や事務補助者などに分担する「タスクシフト」の推進です。タスクシフトとは、専門性の高い医師の負担を減らすために業務を他の職種に移管することを指します。これを実現するには新たなスタッフの雇用が必要不可欠です。

厚労省は、この人件費を確保するために、医師の技術料などを含む報酬の「本体」部分を、前回2018年度のプラス0.55%を上回る幅で引き上げたい考えです。SNSでは「医師の過労死を防ぐためなら賛成」という声がある一方で、「窓口負担が増えるのは痛い」と複雑な心境を吐露する意見も目立ちます。

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医療の安全を守るための「身を削る」改革の行方

現在、20代から30代の若手外科医の約4割が、月に240時間もの残業をこなしているという衝撃的な実態があります。命を預かる現場が、個人の自己犠牲によって支えられている現状は、医療ミスを招くリスクを孕んでいます。2024年度から導入される残業上限規制を前に、対策は待ったなしの状態です。

一方で、財政を司る財務省や健保組合からは厳しい声が上がっています。「医療費の膨張を抑えるために本体部分もマイナスにすべきだ」との意見もあり、患者負担増への懸念は拭えません。薬剤などの「薬価」を引き下げることで、全体の収支はマイナスになる見通しですが、攻防は年末まで続くでしょう。

私は、この改革は「日本の医療を延命させるための投資」だと考えます。目先の窓口負担増は確かに家計に響きますが、医師が疲弊しきって地域医療が崩壊すれば、結局困るのは私たち患者です。質の高い医療を安全に受け続けるためには、適正なコストを支払うという国民的合意が必要な時期に来ています。

2020年度は幸いにも、75歳以上の高齢者の増加が一時的に鈍るため、医療費の自然増が前年より抑えられる見込みです。この「空白の時間」を、未来の医療体制を整えるための絶好のチャンスとして活用できるのか。政府による年末の最終決定が、日本の医療の未来を左右することになりそうです。

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