世界を席巻する巨大IT企業群「GAFA」。その一角を占めるアップルの時価総額は、2019年12月04日時点で1兆2000億ドル、日本円にして約130兆円という途方もない規模に達しています。しかし、その華々しい数字の裏側で、実は同社が「自己資本以上の借金」を抱えていることは意外と知られていません。
かつて2012年09月期には無借金経営を謳歌していたアップルですが、現在はあえて社債を発行して資金を調達し、それを自社株買いに充てるという戦略を採っています。SNSでは「稼いでいるのになぜ借金?」と驚きの声も上がっていますが、これは決して資金繰りに困っているわけではなく、極めて高度な財務テクニックなのです。
ここで注目したいのが「WACC(加重平均資本コスト)」という専門用語です。これは、銀行への利息と株主への配当など、企業が資金調達に払う「コスト」の平均値を指します。低金利で借りたお金で自社株を買い戻せば、このコストを下げることができ、結果として企業価値が高まって株価が上がりやすくなるという計算です。
アップルの5年間の株主還元額は、配当と自社株買いを合わせて約30兆円にのぼります。これほど大胆な還元ができるのは、iPhoneという強力な製品を持ち、自社で工場を持たない「ファブレス経営」によって高い利益率を維持しているからでしょう。まさに「攻めの借金」を使いこなす借金上手な企業と言えます。
アマゾンとグーグルが描く「未来への投資」のカタチ
一方で、同じGAFAでもアマゾン・ドット・コムの戦略は対照的です。2018年12月期、彼らの研究開発費は約3兆2000億円と世界首位を記録しました。アップルが株主への還元を重視するのに対し、アマゾンは稼いだ利益をひたすらAIスピーカーやクラウドサービス(AWS)といった先端技術に投じ続けています。
また、グーグルを傘下に持つアルファベットは、データセンターの増設やベンチャー企業への投資に熱心です。膨大なデータを処理するインフラを整え、次世代の技術を囲い込む姿勢が顕著です。SNSでは「各社の個性が財務諸表にそのまま表れていて興味深い」といった分析が活発にシェアされています。
最後に急成長を続けるフェイスブックですが、2018年12月期の売上高は約6兆円で、売上高成長率は驚異の約5割を維持しています。SNS広告という一本柱でこれだけの成長を続ける爆発力は、他の3社とはまた違った脅威を感じさせます。各社とも高いシェアを武器に、独自の進化を遂げているのが現状です。
編集者の視点から言えば、こうした巨大企業の独占的地位には常に「規制」というリスクが付きまといます。欧州での巨額制裁金のニュースもあり、投資家は単なる収益性だけでなく、倫理や法規制への対応も注視すべきです。最強に見えるGAFAの財務戦略も、時代の変化という荒波の中にいることに変わりはありません。
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