中国の通信機器マーケットを牽引する巨大企業、華為技術(ファーウェイ)が、再びアメリカ政府に対して司法の場で真っ向から対立する姿勢を鮮明にしました。2019年12月05日、同社は米連邦通信委員会(FCC)による製品排除の決定を不当として、ルイジアナ州ニューオーリンズにある連邦控訴裁判所に提訴したことを発表したのです。
今回の騒動の発端は、2019年11月下旬にFCCが示した方針にあります。その内容は、アメリカ国内の通信インフラを整備するための補助金を受け取っている企業に対し、ファーウェイや中興通訊(ZTE)といった中国企業の製品を購入することを禁止するという、極めて厳しいものでした。安全保障を名目とした米政府の強硬な姿勢が浮き彫りになっています。
排除の理由は「中国企業だから」?ファーウェイが訴える正当性
ファーウェイ側は今回の訴訟において、FCCの決定がアメリカの憲法や行政手続法に違反していると強く主張しています。特に問題視しているのは、方針を決定するプロセスにおいて、同社に対して反論の機会が一切与えられなかったという点です。また、安全保障上の脅威とする具体的な根拠や、合理的な理由が示されていないことも争点となっています。
ファーウェイの最高法務責任者を務める宋柳平氏は、2019年12月05日に広東省深圳市にある本社で記者会見を開きました。同氏は「単に中国の企業であるという偏見だけで排除されている」と憤りをあらわにしています。特定の国籍を理由にした排除は、サイバー空間のセキュリティ問題を根本的に解決するものではないというのが同社の見解です。
SNS上では「米中の覇権争いが司法の場にまで及んでいる」「セキュリティリスクがあるなら証拠を示すべきだ」といった冷静な声がある一方で、「国家ぐるみのスパイ活動を警戒するのは当然だ」という厳しい意見も飛び交っています。テクノロジーの利便性と、国家の安全保障という非常に難しいバランスが問われているといえるでしょう。
司法の場で続く攻防と、加速する米中ハイテク冷戦
実は、ファーウェイが米政府を訴えるのはこれが初めてではありません。2019年3月にも、米政府機関による同社製品の調達を禁じた法律が違憲であるとして、テキサス州の地裁に提訴しています。今回のFCCに対するアクションは、司法を通じて自社の正当性を証明しようとする、同社の「二度目の反撃」という重要な局面を意味しています。
FCCが掲げた方針には、すでに設置されている製品の撤去や交換を求める内容も含まれており、早ければ2020年にも施行される見通しです。これは、ファーウェイの機器を安価で頼りにしていたアメリカ地方部の通信事業者にとっても、死活問題になりかねません。企業の権利を守るための訴訟が、どのような判決を迎えるのか世界中が注視しています。
筆者の個人的な見解としては、サイバーセキュリティは国籍に関係なく、客観的な技術基準で評価されるべきだと考えます。根拠が不透明なまま市場から特定のプレイヤーを排除することは、結果としてイノベーションを阻害し、ユーザーの利益を損なうリスクを孕んでいます。司法には、政治的なバイアスを排した公平な判断を期待したいところです。
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