自動車業界に激震が走ったカルロス・ゴーン氏の騒動から、日仏の連合は新たな夜明けを迎えようとしています。日産自動車、三菱自動車、そしてフランスのルノーの3社は、2019年12月04日、連合の舵取りを担う重要なポストである事務局長に、ルノーのハディ・ザブリット氏を起用することを明らかにしました。
2019年12月09日付で着任するザブリット氏は、これまでルノーで事業開発の最前線に立ってきた実力派の幹部です。彼の主な任務は、各社の利害を調整しつつ、共同プロジェクトを円滑に進めるための「接着剤」のような役割を果たすことにあるでしょう。今回の人事によって、3社の連携がよりスピーディーに、そして強固なものになることが期待されています。
独裁からの脱却と「AOB」が目指す民主的な合議制
かつての3社連合は、特定のリーダーに権限が集中しすぎていたという反省を抱えています。そこで2019年04月、各社のトップが対等な立場で議論を行う「アライアンス・オペレーティング・ボード(AOB)」という会議体が新設されました。これは、一人のカリスマに頼るのではなく、組織的な合意形成を重視する仕組みへの転換を意味しています。
専門用語でいうこの「AOB」とは、いわば3社の連合軍における最高意思決定機関です。今回就任する事務局長は、このボードの決定を具体的に実行に移すための実務トップとしての役割を担います。SNS上では「フランス主導が強まるのではないか」という懸念の声がある一方で、「停滞していた技術共有が再び動き出す」と歓迎する意見も散見されました。
編集者としての私見ですが、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)という荒波を乗り越えるには、個別の企業努力だけでは限界があります。国境を越えた文化の壁は依然として高いかもしれませんが、ザブリット氏という調整役を得たことで、リソースの最適化が進むはずです。もはや対立している余裕はなく、この新体制が真に機能するかどうかが、3社の命運を分けるでしょう。
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