世界経済の動向を映し出す鏡とも言える物流の現場から、衝撃的なデータが届きました。日本海事センターが2019年12月06日に発表した統計によれば、2019年10月のアジアから米国へ向けたコンテナ輸送量が、前年同月比で10.2%も落ち込む結果となったのです。
輸送量は20フィートコンテナ換算で156万1785個にとどまり、実に8カ月ぶりに前年の実績を割り込みました。この背景には、激化する米中貿易摩擦という大きな影が潜んでおり、荷動きの鈍化が顕著になっています。
中国発の貨物が大幅減、加速する「チャイナ・プラス・ワン」の動き
今回の減少を決定づけたのは、アジア全体の輸送量の約6割を占める中国発の貨物です。2019年10月の中国発米国向け輸送量は89万9548個と、前年同月比で21.4%も急減しました。
2019年09月の減少幅が6%だったことと比較しても、その落ち込みは急速に拡大していることがわかります。これはいわゆる「関税合戦」の長期化が、実体経済に深刻なダメージを与え始めている証拠と言えるでしょう。
ここで注目したい専門用語が「コンテナ換算(TEU)」です。これは20フィートのコンテナ1個を1単位として貨物量を測る国際的な基準ですが、この数字がここまで大きく動くのは異例の事態といえます。
その一方で、目覚ましい成長を遂げているのがベトナムです。2019年10月のベトナム発輸送量は16万1491個に達し、前年同月比で35.5%増という驚異的な伸びを記録しました。
中国での人件費高騰を背景に、企業が生産拠点を東南アジアへ分散させる「チャイナ・プラス・ワン」の戦略を加速させています。今回の米中対立は、この構造変化をさらに後押しする形となったのでしょう。
SNS上では「ついに物流にまで米中対立の影響が目に見えてきた」「ベトナム経済の勢いが凄まじい」といった驚きの声が上がっています。物流の王道ルートが変わりつつある現状に、多くのビジネスパーソンが危機感を募らせているようです。
私個人の見解としては、この物流の変化は単なる一時的な減少ではなく、世界のサプライチェーンが再編される歴史的な転換点にあると感じます。特定の国に依存するリスクが、改めて浮き彫りになったのではないでしょうか。
2019年01月から10月までの累計で見れば、全体では前年同期比1.1%増と踏みとどまっています。しかし、今後の貿易交渉の行方次第では、アジア経済全体の勢力図が劇的に塗り替えられる可能性も否定できません。
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