四国電力の挑戦!希少品種「女峰」で描く農業の未来と地域活性化の新たなカタチ

四国の暮らしを支えるエネルギーの旗手、四国電力が新たなフィールドとして選んだのは、なんと「農業」の世界でした。2018年10月1日に、老舗高級果物店の銀座千疋屋などとタッグを組んで設立された新会社「あぐりぼん」が、いよいよ待望のイチゴ出荷をスタートさせたのです。

香川県三木町にあるビニールハウスでは、2019年11月中旬から真っ赤に色づいたイチゴが収穫期を迎えています。12月4日には、13名のスタッフが一つひとつ丁寧にパッキング作業に勤しむ姿が見られました。異業種からの参入という驚きのニュースに、SNSでは「電力会社がイチゴを作る時代なのか」と、その意外性と期待感が入り混じった声が広がっています。

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希少品種「女峰」へのこだわりと銀座千疋屋との連携

今回、あぐりぼんが栽培に選んだのは、1985年に誕生した「女峰(にょほう)」という品種です。最近は甘さに特化した新品種に押され気味ですが、甘みと酸味が絶妙に調和した深い味わいは、プロからの評価が非常に高いことで知られています。

栽培の難しさから生産者が減少した「幻のイチゴ」を守りたい。そんな銀座千疋屋の熱い想いが、四国電力の地域貢献への情熱と合致したことで、今回の共同プロジェクトが実現しました。厳しい冬の寒さを経てじっくり育った大粒の女峰は、やがて東京・銀座の店頭に並び、全国のスイーツファンを虜にするに違いありません。

ここで注目したいのが「6次産業化」というキーワードです。これは農林漁業者(1次産業)が、加工(2次産業)や販売・サービス(3次産業)までを一貫して手掛けることで、農産物に高い付加価値を付ける取り組みを指します。あぐりぼんでは、ジャムなどの加工品展開も見据え、2023年度には売上高6000万円を目指すという野心的な目標を掲げています。

地域を照らす新しいエネルギーの形

なぜ四国電力は、これほどまでに農業に力を入れるのでしょうか。背景には、電力自由化による競争の激化や、本業である電力販売量の減少という厳しい現実があります。2020年3月期の販売見通しも前年を下回る予測となっており、新たな収益の柱を築くことは会社にとって喫緊の課題といえるでしょう。

しかし、この取り組みの本質は単なる収益確保だけではありません。地域の基幹産業である農業が活性化し、若者が就農する流れが生まれれば、巡り巡って四国全体の活力が戻り、結果として電力需要の維持にも繋がるという、壮大な「地域共創」のサイクルを描いているのです。

インフラ企業が土に触れ、作物を育てる姿には、地域と共に歩もうとする強い覚悟が感じられます。単に電気を届けるだけでなく、美味しいイチゴを通じて笑顔を届ける。そんな四国電力の多角化戦略は、地方創生の新しいモデルケースとして、今後の展開から目が離せません。

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