最近、街を歩いていると海外からの旅行者を見かける機会が一段と増えたように感じませんか。特に中国からのお客様の姿が目立っており、SNS上でも「有名観光地は中国語が飛び交っている」「お店のキャッシュレス対応が急速に進んでいるね」といった声が多く見受けられます。
実は、この冬の日本発着の国際線において、中国路線が韓国路線を追い抜き、堂々の首位に躍り出ました。これは、右肩上がりの成長を続ける観光需要と、中国の航空各社による強気な海外路線拡大戦略が見事に合致した結果と言えるでしょう。
急増する航空便と「発着枠」のからくり
国土交通省の発表によると、2019年10月27日から2020年3月28日までの冬ダイヤにおいて、日本と中国を結ぶ定期便は合計で週に1406便も予定されています。これは夏のシーズンと比較して224便もの大幅な増加であり、日本の国際線全体のおよそ27パーセントを占めるという驚異的な数字を記録しています。
これほどまでに便数が増えた背景には、成田空港などの玄関口が持つ「発着枠」に余裕があったことが挙げられます。発着枠とは、航空機が空港の滑走路を離陸および着陸するために割り当てられた特定の時間帯のことです。離着陸が過密な空港では、この枠を確保することが新規路線の開設における最大の壁となります。
中国の航空会社は、この空き枠を逃さず巧みに活用しました。例えば、国有企業である中国南方航空が便数を増やしたほか、中堅の厦門(アモイ)航空も福州と成田を結ぶ新たな路線をスタートさせています。こうした積極的な動きにより、この冬だけで週238便が新たに設定されるに至りました。
進化するインバウンド対応と私たちの課題
航空便の増加は、そのまま訪日客数の増加に直結しています。2019年1月1日から2019年9月30日までの期間に日本を訪れた中国人は、前年の同じ時期と比べて15パーセントも多い約740万人に上りました。これほどの人数が訪れるとなれば、迎え入れる日本側の受け入れ体制強化も急務となります。
その好例が、東京都心と成田空港を結ぶ京成電鉄の「スカイライナー」です。同社は2019年9月に、チケットカウンターで中国独自の電子決済システムの導入に踏み切りました。電子決済システムとは、スマートフォンを利用してキャッシュレスで支払いを行う仕組みであり、中国では日常生活に不可欠なインフラとして定着しています。
旅行者が普段使い慣れている支払い方法を日本の窓口でもそのまま利用できるようにすることは、ストレスを軽減し、滞在中の満足度を上げるために非常に有効な施策です。交通機関がいち早くこのような利便性の向上を図る姿勢は、観光立国を目指す上で大いに評価できるのではないでしょうか。
一人のメディア編集者として、私はこうしたインバウンドの活況を手放しで喜ぶだけでなく、持続可能な観光のあり方を模索すべきだと考えます。特定の国への依存度が高まりすぎると、国際情勢の変化による経済的リスクも大きくなります。多様な地域から観光客を呼び込む努力を続けることが、日本の観光産業の未来を守る鍵になるはずです。
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