イギリスの運命を左右する12月12日の総選挙を控え、2019年11月19日に与野党のリーダーによる初のテレビ討論会が開催されました。保守党のボリス・ジョンソン首相と労働党のジェレミー・コービン党首が直接対決し、お茶の間を熱狂させています。
SNS上では「ジョンソン氏の勢いがすごい」「コービン氏の慎重な姿勢も一理ある」といった声が飛び交い、トレンドを独占する事態となりました。離脱か残留か、あるいは再投票か、国民の関心が最高潮に達していることが肌で感じられる一夜となったでしょう。
EU離脱の「出口」を巡る激しい火花
ジョンソン首相は、2020年1月31日までに必ず欧州連合(EU)からの離脱を実現すると力強く宣言しました。すでにEU側と合意した離脱案を武器に、「これ以上の停滞を終わらせる」と不退転の決意を表明し、早期の議会承認を目指す構えを崩しません。
これに対し、コービン氏は保守党の計画に潜むリスクを鋭く指摘しました。離脱後の移行期間中に自由貿易協定(FTA)を結ぶのは不可能に近いと一蹴し、無計画な離脱が経済を混乱させる「合意なき離脱」への懸念を強く訴えています。
ちなみに、ここで言及されたFTAとは、関税などを撤廃して自由に貿易を行うための約束事です。もしこの締結が間に合わなければ、イギリスのビジネスには多大な悪影響が出る可能性があり、コービン氏はこの点を国民の不安として代弁しました。
リーダーシップの資質と経済ビジョンの対立
労働党は離脱案か残留かを問う「2度目の国民投票」を掲げていますが、ジョンソン首相はこれを見逃しませんでした。コービン氏自身がどちらを支持するのかを問い詰め、「指導者にふさわしくない」と厳しい言葉を浴びせる場面も印象的です。
経済政策についても、両者の思想は真逆といえるでしょう。ジョンソン首相が企業活動を支える資本主義の維持を訴える一方で、コービン氏は法人税の引き上げやインフラの国有化を主張し、労働者の待遇改善を優先する姿勢を鮮明にしました。
編集者の私としては、この討論こそが民主主義の醍醐味だと感じます。離脱という巨大な課題に対し、決断を急ぐのか、熟慮を重ねるのか。支持率では保守党がリードしていますが、討論後の世論調査は互角であり、勝負はまだ分からないでしょう。
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