投資の世界で注目を集める「低格付け債」をご存じでしょうか。これは、専門の機関からダブルB格以下という評価を受けた債券を指し、一般的に「ジャンク債」や「ハイイールド債」といった名称で親しまれています。高利回りが期待できる一方で、元本や利息の支払いがストップする「債務不履行(デフォルト)」のリスクが隣り合わせとなっているのが最大の特徴です。
2018年のデータによれば、低格付け債全体のデフォルト率は2%程度に留まっていました。しかし、さらに信用度が低いトリプルC格以下のカテゴリーに絞ると、その数値は27%まで跳ね上がります。SNS上でも「高い利息は魅力的だけれど、約4件に1件が破綻する計算だと考えると、まさにハイリスク・ハイリターンの象徴だ」といった驚きの声が上がっています。
景気の波に敏感な価格変動とスプレッドの仕組み
低格付け債は、国債などの安全資産とは全く異なる動きを見せる点が非常に興味深いと言えるでしょう。通常、景気が上向くと企業の業績が改善するため、債券価格は上昇し、相対的に利回りは低下します。反対に、景気後退局面では企業の支払い能力が懸念されて価格が急落する傾向にあります。景気の体温計としての側面を持っているのは、投資家にとって見逃せないポイントです。
また、投資を検討する際に重要な指標となるのが「スプレッド」です。これは国債などの基準金利に対し、リスク分として上乗せされる利回りの差を指します。信用力が低い企業ほど、このスプレッドが拡大しやすく、市場の不安がダイレクトに数字へ反映されます。編集者の視点から見ても、このスプレッドの拡大は市場の「警戒信号」として非常に優れた先行指標になると考えています。
日米市場の変遷と日本国内での新たな動き
アメリカにおける低格付け債の歴史を紐解くと、1980年ごろまでは「格下げされた元・優良企業」の債券が中心でした。しかし、80年代以降は資金調達を目的とした低格付け企業による直接発行が急増し、市場は大きく拡大しました。日本では長らく保守的な運用が続いていましたが、2019年に入り大きな転換期を迎えています。
世界最大級の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が投資基準を緩和したことで、国内でも低格付け債への門戸が開かれました。2019年にはアイフルが日本初となる発行事例を筆頭に、市場の活性化が期待されています。低金利時代において、リスクを許容しつつ収益を狙う動きは加速しており、今後も目が離せない金融商品となるでしょう。
コメント