宅配クライシスを救う「ギグワーク」の光と影!アマゾンや新聞販売店が挑む物流維新

2019年12月10日、日本の物流現場はかつてない変革の波にさらされています。ネット通販の爆発的な普及により、これまでの大手運送会社を中心とした配送網は限界を迎えつつあります。そんな中、救世主として注目を集めているのが、特定の組織に属さず単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」と呼ばれる人々です。

「アマゾンです」という元気な声が響く名古屋の住宅街では、個人事業主がハンドルを握る姿が日常となりました。2019年8月、アマゾンジャパンが開始した「アマゾンフレックス」は、専用アプリを通じて個人が配送業務を直接受託できる仕組みです。10年勤めた工場を辞め、中古車一台でこの世界に飛び込む人も現れています。

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大手から個人へ。宅配の主役が交代する背景

なぜ今、個人の力がこれほど必要とされているのでしょうか。2017年に顕在化した「宅配クライシス」を覚えている方も多いはずです。荷物量の急増により、最大手のヤマト運輸が運賃の大幅値上げや当日配送の撤退を余儀なくされました。2018年度の宅配便取扱数は43億個を超え、過去最高を更新し続けています。

深刻な人手不足も拍車をかけています。日本郵便などは時給を引き上げて募集をかけていますが、繁忙期の確保は至難の業です。この「隙間」を埋めているのが、自由な働き方を求めるギグワーカーなのです。SNS上でも「自分のペースで働けるのが理想的」「車一台で稼げる時代になった」と、この新しい働き方を歓迎する声が目立っています。

スタートアップと新聞販売店が切り拓く新ルート

個人の力を集約するテクノロジーも進化しています。例えば物流スタートアップのCBクラウドが展開する「PickGo(ピックゴー)」は、荷主と個人ドライバーを即座にマッチングするサービスです。これは、スマホ一つで仕事を見つけられる「物流版のプラットフォーム」といえるでしょう。

また、地域に根ざした新聞販売店も、夕刊配達後の時間を活用して宅配業務に進出しています。「新聞配達と宅配便は共存できる」という店主の言葉通り、地域を熟知した既存インフラを再活用する動きは、効率的なラストワンマイル(お客様へ荷物が届く最後の区間)の解決策として大きな期待を寄せられています。

自由の裏に潜むリスクと今後の課題

しかし、光があれば必ず影もあります。ギグワーカーは雇用契約を結ばない個人事業主であるため、労働法規による保護が十分ではありません。実際に、2019年7月には雨の日の配達中に転倒し、大怪我を負って無収入になったケースも報告されています。こうした不安を受け、労働組合を結成し補償を求める動きも始まりました。

私は、このギグワークこそが日本の物流を維持する鍵になると確信しています。一方で、彼らを使い捨てにするのではなく、安全網をどう整備していくかが問われています。2019年10月にはウーバーイーツの配達員が組合を立ち上げたように、今後は「柔軟な働き方」と「確かな保護」を両立させる仕組み作りが急務となるでしょう。

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