私たちが日々、当たり前のように使っている「お金」ですが、その真の価値を測るための基準をご存知でしょうか。経済学の世界では、モノやサービスを手に入れる能力を「購買力」と呼び、その国の経済的な勢いを測る重要な指標として活用しています。
2019年12月10日現在の世界情勢を眺めてみると、目覚ましい発展を遂げる新興国では雇用や賃金が大幅に増加しました。その結果として中間所得層が拡大し、個人消費が活発化することで、国全体の購買力が力強く底上げされている状況にあります。
SNS上では「給料は上がらないのに物価だけ高くなった気がする」といった切実な声が散見されますが、これは個人の購買力を示す「実質賃金」が伸び悩んでいることへの不安の表れだと言えるでしょう。私たちは今、自身の経済力を正しく把握する術を持つべきです。
ハンバーガーでわかる?「購買力平価」というユニークな物差し
世界中のどこでも同じ商品の価値は一定であるという「一物一価の法則」をご存知でしょうか。この考え方を基にしたのが「購買力平価」であり、実は誰もが知るハンバーガーの価格が、通貨の正当な価値を測るユニークな物差しとして利用されています。
例えば、あるハンバーガーが日本で120円、米国で1ドルで販売されていると仮定しましょう。このとき、為替レートが1ドル=120円であれば、両国の購買力はバランスが取れた状態であると判断される仕組みとなっています。
この専門用語を噛み砕くと、表面上の為替相場に惑わされず、その国の通貨に「どれだけの買い物をするパワーがあるのか」を実質的に評価するための指標なのです。身近な食べ物を通じて、世界の経済バランスが見えてくるのは非常に興味深いですね。
20年で広がった差、日本の立ち位置を再確認する
生活水準を国際比較する際によく用いられるのが、購買力平価を考慮した「1人当たり名目国内総生産(GDP)」です。世界銀行の統計を紐解くと、1998年時点の日本は約2万5000ドルで、米国の約3万3000ドルを追いかける位置にいました。
しかし、2018年には日本が約4万3000ドルに成長した一方で、米国は6万3000ドルへと急進しており、20年という歳月の間にその差は大きく開いてしまいました。数字の上では成長していても、世界的な相対評価では日本は苦戦を強いられています。
私個人としては、単なる数字の多寡だけでなく、この差が私たちの暮らしの豊かさにどう影響しているのかを注視すべきだと考えます。日本がかつての勢いを取り戻し、誰もが豊かさを実感できる購買力を維持するためには、抜本的な経済構造の改革が急務でしょう。
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