日本の農業を成長産業へと押し上げる旗振り役として期待されていた、官民ファンドの「農林漁業成長産業化支援機構(通称:A-FIVE)」が、大きな岐路に立たされています。農林水産省は、現在廃止が検討されているこのファンドについて、今後の農政運営において活用しないという極めて厳しい方針を固めました。
具体的には、2019年12月10日に政府が決定する農政の重要指針から、これまで掲げてきたA-FIVEの活用に関する記述をすべて削除するとのことです。かつては農業の成長力を強化するための「切り札」として積極的な活用がうたわれていただけに、今回の決定は事実上の撤退宣言とも受け取れる衝撃的な内容といえるでしょう。
この方針は、同日に改訂される「農林水産業・地域の活力創造プラン」に正式に反映される見通しです。SNS上では「貴重な税金が投入されたプロジェクトだっただけに、ここまでの不振は残念だ」という厳しい声や、「官主導の投資ビジネスには限界があったのではないか」という冷静な分析が相次いで投稿されています。
ここで改めて解説しますと、官民ファンドとは国と民間企業が共同で出資して設立する投資基金のことです。A-FIVEは農林漁業者が加工や販売までを手掛ける「6次産業化」を資金面でバックアップする目的で設立されましたが、投資先の選定や収益性の確保において苦戦を強いられてきた背景があります。
編集者としての私見ですが、意欲ある生産者を支える仕組み自体は不可欠なものです。しかし、投資というリスクを伴う分野において、官主導のスピード感や目利き力が民間市場と乖離していた点は否めません。方針削除という痛みを伴う決断を機に、真に現場が求める柔軟な支援の形が再構築されることを願うばかりです。
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