日本の半導体商社業界に、大きな衝撃が走るニュースが飛び込んできました。独立系商社として確固たる地位を築く加賀電子が、液晶デバイスを主力とするエクセルを2020年4月1日付で経営統合し、完全子会社化することを2019年12月9日に発表したのです。この決断により、加賀電子はさらなるビジネス規模の拡大を加速させることでしょう。
かつて液晶ビジネスで名を馳せたエクセルですが、近年は苦境に立たされていました。主要取引先であるシャープの代理店戦略の転換や、中国市場の成長鈍化というダブルパンチを受け、業績が悪化していたためです。SNS上では「老舗商社でも時代の変化には抗えないのか」といった、業界の先行きを不安視する声が数多く上がっていました。
そこで登場したのが、旧村上ファンドの関係者が運営する「シティインデックスイレブンス」という投資ファンドです。いわゆる「物言う株主」として知られる彼らが、一度エクセルを100%子会社化するという、非常にテクニカルな手法が取られます。これにより、複雑に絡み合った経営課題を整理し、再生への道筋をつける狙いがあるのでしょう。
具体的なスキームとしては、エクセルが保有する土地や建物などの「非事業用資産」をファンド側に配当した上で、事業本体を加賀電子が1億円という破格の金額で取得します。この手法は、不採算部門や余剰資産を切り離して、中核事業の価値を際立たせる戦略的な再編と言えます。無駄を削ぎ落とした形での統合は、加賀電子にとっても大きなメリットです。
業界再編の台風の目!加賀電子が狙う圧倒的シェアと「負ののれん」
加賀電子の2020年3月期の売上高見通しは約4300億円に上り、ここにエクセルの約570億円が加わることで、商社としての存在感はさらに高まります。特筆すべきは、2021年3月期に計上予定の「負ののれん」という約82億円の特別利益です。これは買収価格が企業の純資産を下回った際に発生する会計上の利益で、同社の収益を大きく押し上げる要因となります。
「負ののれん」とは、分かりやすく言えば「本来の価値よりも安く買い物をした際のお得感」を利益として計上する仕組みです。エクセルが持つポテンシャルを信じ、この好機を逃さなかった加賀電子の経営判断は非常に鋭いと感じます。厳しい市場環境下で生き残るには、こうした大胆な「攻めの姿勢」こそが、今の日本企業に求められているのではないでしょうか。
エクセルは2020年2月14日に開催される臨時株主総会で承認を得た後、3月30日をもって上場廃止となる予定です。ネット上では「村上ファンド系の動きが鍵だった」「商社の再編はまだ続く」といった予測が飛び交い、投資家たちの関心も最高潮に達しています。伝統ある企業の看板が掛け変わる瞬間は、常に時代の変わり目を感じさせます。
今回の買収劇は、単なる企業の救済ではなく、半導体業界全体の効率化を促す一石となるはずです。エクセルが培ってきた技術力や顧客基盤が、加賀電子のリソースと融合することで、どのような化学反応を見せてくれるのか期待が高まります。2020年4月の新生・加賀電子の誕生が、業界に新しい風を吹き込むことは間違いないでしょう。
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