日本の食卓を支えるお米の収穫状況に、少しばかり心配なニュースが舞い込んできました。農林水産省は2019年12月10日、同年産米の収穫量見通しについて、10月の発表からさらに引き下げる判断を下しました。最新の予測では、前年を1%下回る726万トンにとどまる見込みとなっています。
今回の下方修正には、秋口に日本列島を襲った自然災害が色濃く影を落としています。特に佐賀県をはじめとする九州地方など、台風による甚大な被害を受けた地域での収穫減が響く形となりました。丹精込めて育てられた稲が、自然の猛威によって失われた現実は、消費者としても胸が痛む思いではないでしょうか。
ここで注目したいのが、農業統計でよく使われる「作況指数」という指標です。これは平年の収穫量を「100」として、その年の出来栄えを数値化したものですが、2019年度は「99」という結果に落ち着きました。99から101の間が「平年並み」と定義されるため、全国的には概ね順調だったと言えます。
しかし、地域ごとに詳しく目を向けると、気象条件に左右された格差が顕著に現れています。SNS上では「地元のお米が心配」「スーパーの価格に影響が出るのでは」といった、家計への波及を不安視する声が数多く上がっていました。農家の皆さんの苦労をねぎらう投稿も目立ち、改めてお米への関心の高さが伺えます。
今回の予測で最も注視すべき点は、供給量が需要見通しを1万トンほど下回ってしまう可能性です。主食用米の需要が年々減少しているとはいえ、供給が不足気味になることは、市場価格の上昇を招く一因となり得ます。毎日の食事に欠かせないものだからこそ、私たちは一粒の重みを再認識する必要があるでしょう。
編集者の視点から申し上げますと、こうした統計数字の背後には、天候不順と戦い続ける生産者の奮闘があります。異常気象が常態化しつつある昨今、安定して美味しいお米が食べられることは、決して当たり前ではありません。今回の下方修正を機に、国産米の価値を改めて見つめ直したいものです。
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