静岡財務事務所が2019年12月12日に発表した最新の調査結果によると、県内企業の景況感に厳しい影が差し始めています。10月から12月期における全産業の景況判断指数、通称「BSI」はマイナス8.1を記録しました。前回調査から7.4ポイントも急落しており、地元ビジネス界には緊張が走っています。
ここで耳にする「BSI」とは、企業のトップが自社の景気をどう感じているかを数値化した指標のことです。「上昇」と答えた割合から「下降」と答えた割合を引いて算出されます。つまり、現在の静岡県内では、自身の商売が以前より厳しいと肌で感じている経営者が圧倒的に多いことを物語っているのです。
この冷え込みの背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。米中貿易摩擦などを背景とした中国や北米市場の景気後退に加え、2019年10月に実施された消費税率の引き上げが重なりました。さらに、甚大な被害をもたらした台風の上陸も重なり、まさに泣きっ面に蜂の状態といえるでしょう。
SNS上では「消費増税後、客足が明らかに鈍くなった」「海外向けの輸出が減って工場が静かだ」といった悲鳴に近い声が散見されます。一方で、「地元企業にはこの逆境を跳ね返してほしい」という応援の声も上がっており、県民の関心の高さが伺える状況です。
業種ごとに明暗?製造業と非製造業が直面する壁
規模別で見ると、特に中堅企業の落ち込みが16.4ポイント減と顕著になっています。業種別では、静岡の基幹産業である製造業がマイナス7.3となりました。海外での自動車販売不振が響き、部品メーカーを中心に受注が減少しています。ものづくりの街として、世界経済の波をダイレクトに受けている形です。
非製造業においても、指数はマイナス8.8まで悪化しました。小売業の現場からは「防災関連や資材は動いたが、全体的な売り上げの落ち込みはカバーできなかった」という切実な声が漏れています。日常の買い物において、消費者の財布の紐が想定以上に固くなっている現実が浮き彫りになりました。
しかし、暗いニュースばかりではありません。2020年1月から3月期にはさらに厳しい予測も出ていますが、電気自動車(EV)といった次世代の成長分野への投資は着実に進んでいます。未来への種まきを欠かさない企業の姿勢には、静岡経済の底力が秘められていると私は強く感じます。
今後の焦点は、一時的な落ち込みをいかに早く脱却できるかにあるでしょう。政府の支援策や企業のデジタル化への対応が、V字回復の鍵を握るに違いありません。編集部としては、逆境をバネに進化を遂げる静岡企業の挑戦を、引き続き熱い視線で追いかけていきたいと考えています。
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