米中貿易合意で中国人民元が上昇へ!不透明感払拭で投資家が注目する為替市場の行方

2019年12月15日の最新ニュースとして、今週の外国為替市場では中国の通貨である「人民元」が、緩やかな上昇基調を維持する見通しとなりました。これまで市場を覆っていた米中貿易協議を巡る不透明感が、ようやく解消の兆しを見せ始めたことが大きな要因です。

さらに、英国の下院総選挙において与党・保守党が圧倒的な勝利を収めたことも、世界的な安心感に繋がっています。投資家の間ではリスクを取る姿勢が強まっており、安全資産とされるドルを売って、人民元を買い戻す動きが活発化しやすい地合いが整ったといえるでしょう。

SNS上では「ようやく不確実性が消えてきた」「年末に向けてポジティブなムード」といった安堵の声が多く聞かれます。JPモルガン・アセット・マネジメントの許長泰氏は、今回の好材料を「市場が受け取った2つのクリスマスプレゼント」と表現し、ポンドや人民元の恩恵を強調しています。

振り返れば、2019年8月に米国が追加関税を表明した際、人民元は急落を余儀なくされました。2019年9月には約11年ぶりとなる元安水準を記録しましたが、その後の米中合意への期待感が支えとなり、現在は再び強含みの展開を見せている点は見逃せません。

今回の合意内容には、すでに発動されている制裁関税の見直しも含まれているため、香港の為替ディーラーたちも元高の流れが継続することに期待を寄せています。しかし、ここから先が手放しで喜べる状況かというと、専門家の間では慎重な意見も根強く残っているのが実情です。

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今後の焦点は構造問題へ!元高の持続性を阻む壁

人民元の上昇は期待されているものの、それが一本調子で続くとは考えにくい側面があります。米国は2019年12月15日に予定していた「第4弾」の対中追加関税の発動を見送りましたが、これによって議論のステージはより複雑な「構造問題」へと移っていくためです。

構造問題とは、中国政府によるハイテク産業への巨額の補助金や、通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)への制裁措置といった、国益が激突する深い対立を指します。こうしたデリケートな課題は一朝一夕で解決するものではなく、協議が難航することは避けられないでしょう。

大手銀行の運用担当者からは「米中は対立と緩和を繰り返すだろう」との見通しが出ており、過度な楽観は禁物であると私は考えています。貿易の第一段階はクリアしたものの、テクノロジーの覇権争いという本質的な火種は、依然として市場の重しになり続ける可能性が高いはずです。

また、中国人民銀行の舵取りにも注目が集まっています。人民銀行は、市場実勢や複数の主要通貨を組み合わせた「通貨バスケット」を参考に、毎朝「基準値」という取引の目安を設定しますが、最近はこの基準値が元高方向へと誘導される傾向が顕著に見受けられます。

トランプ米大統領は以前から元安を厳しく批判しており、中国を「為替操作国」に認定した経緯もあります。中国側としては、輸出に有利な「元安カード」を温存しておきたいのが本音でしょうが、米国を過度に刺激して合意を白紙に戻すようなリスクは避けたいという思惑が見え隠れします。

このように、政治的な駆け引きと経済の基礎条件が複雑に絡み合う中で、人民元は「限定的な上昇」という慎重な歩みを進めることになりそうです。投資家としては、日々のヘッドラインに一喜一憂せず、米中の緊張緩和がどこまで本物であるかを冷静に見極める力が求められるでしょう。

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