政治の世界では冷え込んだニュースが目立つ昨今ですが、日本の若者たちの心は全く別の方向を向いているようです。いま、10代から20代を中心とした世代で、韓国語を学ぶ熱気がかつてないほど高まっています。それを象徴するのが、韓国政府が認定する唯一の語学試験「韓国語能力試験(TOPIK)」の志願者数です。2019年12月04日現在の集計によると、2019年の申し込み数は約2万7000人に達し、この10年間でなんと2.6倍という驚異的な伸びを記録しました。
SNS上でも「推しの言葉を直接理解したい」「字幕なしでドラマを見たい」といったポジティブな声が溢れており、文化の力が政治の壁を軽々と飛び越えている様子が伺えます。TOPIKとは、読解やリスニングを通じて、韓国語でのコミュニケーション能力を測定する試験のことです。世界70カ国以上で実施されており、留学や就職の際の公的な証明として活用されています。かつては一部の愛好家のものでしたが、今や若者にとって自分の「実力」を試す、最も身近なステップへと進化したのでしょう。
「好き」を仕事に!夢を追いかける等身大の高校生たち
東京・渋谷にある関東国際高校では、韓国語コースへの志願者が定員の2倍に膨れ上がるほどの人気を博しています。2019年8月にソウルでの研修に参加した間橋怜さんは、現地の友人とアイドルの話題で絆を深めたそうです。彼女は将来、航空会社で働き、韓国の人々と直接語り合う未来を夢見ています。同じく2年生の浅見ひよりさんも、幼少期からのドラマ好きが高じて、映画業界での翻訳や宣伝の仕事を志しています。彼女たちの瞳には、対立の影ではなく、輝く未来が映っているはずです。
K-POPシーンではTWICEなどのグループが圧倒的な支持を集めており、こうしたスターへの憧れが学習意欲を支える大きな原動力となっています。同校の黒沢真爾副校長も、ブームが衰える気配がないことに驚きを隠せません。実際に、毎年10人程度の卒業生が韓国の大学へと羽ばたいており、学びの場は国内に留まらなくなっています。文化を通じた交流は、一度火がつくと容易には消えない強固な結びつきを生むものです。一過性の流行ではなく、着実な「教養」として根付いている証拠ですね。
政治の荒波を超えて広がる「学び」のネットワーク
大学や専門学校でも、この「韓国語フィーバー」は顕著に現れています。京都産業大学では2014年に新設された韓国語専攻が、看板学部である英語専攻に匹敵する人気を誇っているそうです。2019年度のオープンキャンパスでも、日韓関係の悪化を感じさせないほど多くの受験生がブースを訪れました。また、韓国への日本人留学生も2019年04月時点で約4300人と、前年から1割も増加しています。学問の世界においては、政治的な緊張よりも「学びたい」という純粋な探求心が勝っているといえます。
ただし、楽観視できない側面があるのも事実です。専門学校の講師からは、日韓関係の悪化による航空便の減少などが、将来の就職先に影を落とすのではないかという懸念の声も上がっています。編集者の視点として、若者の熱意がこれほどまでに高いからこそ、大人の事情でその門戸が閉ざされることがあってはならないと感じます。文化や言語という共通言語を持つ彼らが社会に出たとき、きっと今よりも柔軟で新しい日韓関係を築いてくれることでしょう。彼らの「好き」という純粋なエネルギーを、全力で応援したいものです。
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