日本のものづくりを支える名門、日本製鋼所がいま、産業機械の世界でドラマチックな進化を遂げています。同社は射出成形機や混練押出機といった分野で、圧倒的なスケールを誇る「大型マシン」の開発に勝機を見出しました。グループ各社が培ってきた独自の技術を一つの大きな流れに集約し、顧客の高度な要望に応える体制を整えています。
SNS上では「これほど巨大な機械を制御できる技術力は、まさに日本の宝だ」といった驚きの声や、「名機製作所との統合による相乗効果が楽しみだ」という期待の投稿が相次いでいます。中小型機で攻勢を強めるライバルメーカーに対し、同社はあえて難易度の高い大型・高級路線を突き進むことで、市場での存在感を一気に高める構えを見せているのです。
自動車業界を揺るがす!業界最高水準の型締力を誇る新型機が登場
2019年11月、日本製鋼所は新型の射出成形機「J3000F-15000H」を世に送り出しました。価格は2億円を超えるという驚きの高級モデルですが、その性能は価格に見合う破壊力を持っています。特筆すべきは、業界でもトップクラスとなる約3,000トンの「型締力(かたしめりょく)」を備えている点でしょう。
ここで言う型締力とは、ドロドロに溶けた樹脂を金型へ流し込む際に、その圧力で金型が開かないよう強力に締め付けておくパワーを指します。この力が強ければ強いほど、より精密で巨大な製品を形作ることが可能になります。従来の主力だった1,300トン級を大きく上回るこの新兵器は、自動車のバンパーや内装パネルなどを継ぎ目なく一体成形できる能力を秘めています。
この開発の裏には、2016年に完全子会社となった名機製作所の知恵が息づいています。大型機械の扱いに長けた彼らのノウハウを取り入れることで、驚異的なパワーを維持しながらも、設置スペースを抑えたコンパクトな設計を実現しました。取締役の松尾敏夫氏も、特殊なニーズに応えるラインアップの広がりに強い自信を覗かせています。
自動化の波を捉える!2020年1月に向けた新たなシステム展開
さらに2020年1月には、東大阪市の中堅メーカーであるタナカとタッグを組んだ、プラスチック造粒工程の自動化システムが発売される予定です。「造粒(ぞうりゅう)」とは、プラスチック素材を扱いやすい小さな粒状(ペレット)に加工する工程を指し、このシステムでは複数の樹脂を混ぜ合わせる混練機と連携し、独自の装置で一括制御を行います。
かつては原発向けの巨大部材が経営の柱でしたが、2011年の震災以降、世界的な脱原発の潮流を受け、同社は機械事業への劇的なシフトチェンジを断行しました。その結果、2019年3月期には震災後の最高益を塗り替えるという快挙を達成しています。しかし、米中貿易摩擦の影響で中国市場が冷え込む中、同社はさらなる変革を迫られています。
現在は車載電池用フィルムの製造装置が好調ですが、特定の製品に依存しすぎるのはリスクが伴います。宮内直孝社長は「既存の延長線上では限界がある」と断言し、積極的なM&Aによる外部リソースの獲得に意欲を燃やしています。2020年4月には名機製作所との合併も控えており、グループの力を結集した「ポスト・フィルム装置」の誕生が待ち望まれます。
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