栃木県は2019年12月11日、農村エリアの活力を取り戻すための画期的な土地利用規制の緩和策を発表しました。この施策は、都市の無秩序な拡大を防ぐために開発が厳しく制限されてきた「市街化調整区域」を対象としています。これまでは建物を建てるのが難しかった場所でも、今後は地域振興に繋がる施設が作りやすくなるでしょう。
今回の改正では、観光農園や農村レストラン、農産物加工の体験施設といった「交流拠点」の新設が一定の条件のもとで認められるようになります。これまでは直売所程度しか許可されていなかったため、地元の食材をその場で楽しむグルメスポットの誕生に期待が高まります。SNS上でも「憧れの田舎暮らしでカフェを開く夢が現実味を帯びてきた」とポジティブな声が広がっています。
古民家再生と移住促進が地域コミュニティを守る鍵
特筆すべきは、歴史ある古民家を宿泊施設や飲食店へと用途変更することが容易になる点です。古き良き日本の風景を観光資源として再定義し、外貨を呼び込む戦略といえます。さらに、住宅建築の基準も大幅に緩和されます。これまでは線引き前から宅地だった場所に限定されていましたが、今後は条件を満たせば域外からの移住者も家を建てやすくなる見込みです。
編集部としては、この動きを日本の地方再生における「攻めの一手」だと評価しています。少子高齢化で消滅の危機にあるコミュニティを維持するには、外部の血を入れ、新たなビジネスを生む仕組みが不可欠だからです。栃木県が掲げるこの新基準は、独自の基準を持つ宇都宮市を除く県内市町において、2020年4月1日からいよいよ適用が開始されます。
市街化調整区域という、いわば「守り」のエリアに光を当てるこの試みは、新しいライフスタイルを求める若者世代にとっても大きなチャンスとなるはずです。2020年4月以降、栃木県の農村部がどのように変貌を遂げ、どのような新しい賑わいが生まれるのか、その動向から目が離せません。豊かな自然と利便性が共存する、新たな栃木の魅力が花開くことでしょう。
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