米雇用統計11月分が驚愕の26万人増!FRB利下げ休止の可能性とトランプ政権が抱えるラストベルトの光と影

2019年12月06日、アメリカ経済の力強さを改めて見せつける驚きのニュースが飛び込んできました。米労働省が発表した11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月から26万6000人も増加しています。この数字は、事前に専門家たちが予想していた約19万人という数値を大幅に塗り替えるもので、市場には大きな衝撃と喜びが広がりました。前月の15万6000人増と比較しても、その勢いの差は一目瞭然と言えるでしょう。

SNS上では「アメリカの労働市場は化け物か」「これほど強い数字が出るとは思わなかった」といった驚嘆の声が相次いでいます。失業率についても、前月から0.1ポイント改善して3.5%という極めて低い水準を記録しました。これは実に半世紀ぶりの低水準であり、まさに歴史的な「完全雇用」に近い状態が続いていることを示唆しています。労働環境の改善は、個人消費の底上げを通じてアメリカ経済全体のエンジンを力強く回し続けているようです。

今回の雇用増を牽引した大きな要因の一つに、大手自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)で続いていた大規模なストライキの終結が挙げられます。この影響で自動車関連の就業者数が4万人も増加したほか、年末商戦を控えた運輸・倉庫業でも1万5000人の雇用が積み増されました。直近3カ月の平均増加数も、好調の目安とされる20万人を再び突破しており、アメリカの景気後退懸念を払拭するに十分な材料が揃ったと言えます。

スポンサーリンク

FRBが選択する「予防的利下げ」の終焉とパウエル議長の判断

この強気な雇用データを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の動向に注目が集まっています。FRBとは、日本でいう日本銀行のような存在で、アメリカの金融政策を決定する最高機関です。これまでFRBは、米中貿易摩擦による景気の下押し圧力を防ぐため、3会合連続で政策金利を引き下げる「予防的利下げ」を実施してきました。しかし、パウエル議長は「緩やかな経済成長が続く」との確信を深めており、利下げは一旦休止する公算が大きくなっています。

2019年12月10日から11日にかけて開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では、4会合ぶりに金利を据え置く見通しです。FOMCは、アメリカの金利の方向性を決める非常に重要な会議であり、世界中の投資家がその一挙手一投足に注目しています。11月の平均時給も前年同月比で3.1%増と、16カ月連続で3%台の伸びを維持しており、賃金上昇のプレッシャーが継続していることも、利下げ見送りを後押しする一因となっているのでしょう。

好景気の陰に隠れたトランプ大統領の焦りと「ラストベルト」の苦悩

一方で、全体的な数字の華やかさとは裏腹に、トランプ大統領の表情には焦りの色が滲んでいるかもしれません。彼の最大の支持基盤である中西部の製造業において、雇用の勢いが鈍化しているからです。特に「ラストベルト(赤さび地帯)」と呼ばれる、かつて鉄鋼や自動車産業で栄えた地域では、製造業の衰退が深刻な影を落としています。2016年の大統領選で彼を勝利に導いた労働者たちの間で、不満が蓄積し始めているのです。

例えばウィスコンシン州では、2019年10月の製造業雇用数が前年同月比で1.6%も減少するなど、激戦州の中でも厳しい状況が浮き彫りになっています。トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争は、安価な外国製品から自国の産業を守るはずでしたが、結果として輸出不振やサプライチェーンの混乱を招き、労働者たちは自身の雇用が揺らぐという皮肉なジレンマに直面しています。国全体の数字は良くても、地方の現場には冷たい風が吹き荒れているのが現状です。

私個人の見解としては、今回のような極めて強い雇用統計が出た以上、FRBが利下げを休止するのは極めて妥当な判断だと考えます。しかし、トランプ大統領は大統領選を見据え、更なる株高と景気刺激を狙って追加利下げの圧力を弱めないでしょう。経済指標という「客観的な事実」と、選挙という「政治的な思惑」が激しく火花を散らす展開となりそうです。表面的な数字の良さに浮かれることなく、製造業の現場で起きている構造的な変化を注視する必要があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました