黄色い看板でおなじみの「タイムズ」を運営するパーク24が、2019年12月16日に2019年10月期の連結決算を公開しました。最終的な儲けを示す純利益は、前の期と比べて11%減少の123億円という結果になっています。売上高は3174億円と着実に伸ばしているものの、利益面ではいくつかの壁が立ちはだかった形です。SNSでは「タイムズのカーシェアは便利でよく使うのに意外」「海外でも展開していたのか」といった驚きの声が上がっており、国内の好調さと裏腹な結果に注目が集まっています。
国内事業に目を向けると、主力の時間貸し駐車場「タイムズ」の運営件数は1万8908件に達し、前の期から7%も増加しました。特に目覚ましい成長を遂げているのがカーシェアリングサービスです。これは1台の車を特定の会員間で共同利用する仕組みで、都市部の駅前を中心に拠点の整備が進んでいます。平日に仕事で利用する法人会員が急増したことで、稼働率が劇的に向上しました。自家用車を持たない層にとって、必要な時だけ手軽に乗れるこのサービスは、今や都市生活のインフラとして定着したと言えるでしょう。
英国での苦戦と自然災害のダブルパンチ
一方で、利益を押し下げた要因は海の向こう側にありました。イギリスを中心とした海外駐車場事業が思うように振るわず、厳しい状況が続いています。要因の一つは、現地の物価に連動して変動する駐車場の賃借料です。このコスト増が重荷となり、収益を圧迫する結果となりました。グローバル展開における固定費のコントロールがいかに難しいかを物語っています。企業の地力が試される局面ですが、現地の経済状況に左右される不安定さは、投資家の間でも懸念材料として囁かれているようです。
さらに、2019年8月から10月にかけて日本を襲った大型台風も大きな影を落としました。西川光一社長は、この時期に業績の挽回を見込んでいたものの、首都圏を直撃した自然災害によってその計画が狂わされたと語っています。交通インフラを支える事業だからこそ、天候による外出自慢や施設の損害がダイレクトに数字へ響いてしまうのです。これに加えて、東京・品川の新本社ビルへの移転に伴う一時的な経費も、今期の利益を圧迫する要因として重なりました。
2020年10月期への期待と東京五輪の課題
苦戦を強いられた今期ですが、2020年10月期に向けてパーク24は強気な姿勢を崩していません。次期の純利益は前期比34%増の165億円を見込んでおり、V字回復を狙っています。その原動力となるのが、レンタカーとカーシェアの利点を融合させた新サービス「タイムズカー」の拡大です。私は、このシームレスな移動体験の提供こそが、モビリティ業界での覇権を握る鍵になると確信しています。既存の枠組みに捉われない柔軟なサービス展開は、同社の最大の強みではないでしょうか。
ただし、来夏に控える東京五輪・パラリンピックについては楽観視できない側面もあります。西川社長は、大会期間中の交通規制などの影響により、約5億円の減収を予測していると明かしました。大規模イベントは需要を生む一方で、駐車場運営にとっては車両の流入制限というリスクも孕んでいます。こうした一過性のマイナス要因を、いかに本業の成長でカバーできるかが今後の焦点となるでしょう。同社が掲げる移動の未来が、どのような形で結実するのか、2020年の動きから目が離せません。
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