日本のものづくりを支える土台とも言える「工作機械」の需要に、いま大きな激震が走っています。日本工作機械工業会、通称「日工会」が発表した2019年11月20日時点の受注状況によると、現場の冷え込みは予想以上に深刻なステージへと突入したようです。全体の受注額は前年と比べて37.9%も減少し、817億円という数字にまで落ち込みました。これは、2019年の中で最も低い水準を記録したことになります。
工作機械とは「機械を作るための機械」を指し、マザーマシンとも呼ばれる産業の心臓部です。この受注が減るということは、将来的に工場で製品を作る準備が滞っていることを意味します。好不況のボーダーラインとされる1000億円の大台を、これで4カ月連続で割り込む形となりました。SNS上でも「これほど長引くとは思わなかった」「工場の稼働率が心配だ」といった、製造現場に携わる方々からの悲痛な声が数多く寄せられています。
一般機械向けが半減!中堅・中小企業の投資意欲に陰り
今回の発表で特に衝撃的だったのは、金型や建設機械を製造する「一般機械」向けの国内需要が50.2%減と、ほぼ半減してしまった点でしょう。日工会の天野正義専務理事は、こうした一般機械を扱うユーザーに中堅・中小企業が多いことを指摘しています。景気の先行きが見えない中で、現場のリーダーたちが設備投資に対して極めて慎重な姿勢を強めている状況が、数字からも如実に伝わってきます。
内需全体を見渡しても、45.5%減の313億円と苦戦を強いられています。以前から低迷が続いていた自動車関連や、スマートフォンなどの電気・精密分野も依然として回復の兆しが見えません。これまでは一部の特定業種に限定されていた不況の波が、ついに日本の製造業全般へと広く波及してしまった印象を強く受けます。こうした連鎖的な落ち込みは、サプライチェーン全体に影を落とす可能性が高いでしょう。
私個人の見解としては、この14カ月連続の減少という事態を重く受け止めるべきだと考えています。中小企業の投資が止まることは、日本の技術継承やイノベーションの芽を摘むことにも繋がりかねません。単なる数字の減少として捉えるのではなく、現場が再び自信を持って投資に踏み切れるような、強力な経済対策や支援策が今こそ求められているのではないでしょうか。今はまさに、日本の製造業が底力を試されている正念場なのです。
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